ハンドメイドでレザークラフトをやっています。合間にハーレーとワーゲンの空冷エンジンで遊んでます。そんなラブ&ピースなブログです。

2021年09月22日

無花果~いちじくの鈴~

 中秋の名月のさらに満月を見上げた。

 スーパームーンとは違いさほど大きくないが落ち着いて光る様に秋の情緒を感じた。

 
 そんな秋の気配漂うこの週末はとうとう新潟の地に坐る。

 やれる事は全部やったつもり。

 新潟では今までよりも雰囲気のある空間になっていると思うのでお楽しみに♪


 後はこのブログを書いてシャベルのキックペダルを踏むだけ。

 最後にふさわしいアイテムを紹介したいと思う。


 


 無花果。

 花の無い果実と書いていちじくと読む。

 何と格好いい名前なのだろう。


 見ての通りに色とりどりのキーホルダー。

 いちじくの形をイメージして削り込みました。

 あまり食べる事はないが、名前からくる物語に惚れた。

 そこからイメージは無数に増幅して今に至る。


 


 キッカケはこの鈴との出会いからだった。

 面白い所で見つけたこの真鍮の鈴。

 とある地方で昔から作られている物らしい。


 一つとして同じ形がない作り。

 言ってしまえば雑な仕上げ方。

 それがたまらなく魅かれた。


 



 それと音色。

 精巧に作られた真鍮の鈴やベルは 『キーン』 と澄み渡った大きな高音が鳴る。

 それに対してこの鈴は 『チリチリ』 や 『チリンチリン』 と鈍い音しか鳴らない。

 その位が自分は丁度良い。

 主張しすぎないギリギリ。

 だから耳を澄ませて感じられる。

 実際に手に取って頂ければわかるだろう。

 
 手に入れたのは一年以上前の事だっただろうか・・・

 何かを作る為に購入したのではなく、購入してから何かが生まれると思った。

 それはすぐには舞い降りてくる事が無くても、エイジング加工しながら待った約一年。


 


 使う金物も少しずつ集めた。

 真鍮じゃなくてあえて金メッキをエイジングさせた両面カシメ。

 もともと真鍮メッキだから少し赤みを増して変化してくれる。


 それとこのマイナスネジ。


 


 廃業した工場にあったビスを分けてもらった物。

 それはほとんどメッキが入っていない無垢に近い鉄製のマイナスネジとナット。


 それを少しずつ丁寧に加工してこの雰囲気になる。

 一本一本ネジ山までブラシを入れました。


 マニアックな世界で引く人もいたが、どうしても今回の無花果には必要なパーツだった。



 


 裏のナットも良い色に落ち着いた。

 もちろんこのネジとナットは特殊な接着剤を入れて締め込んでいるので熱で炙らない限り緩む事は無い。

 どうでもいいと思う人にはただの錆びた汚いネジ。

 大事なのは最終的なバランス。


 


 トップのリングは実はカラビナになっています。

 どうぞ好きな所に気軽に着けて旅をして頂きたい。


 何故この音なのかを感じてもらえるはず。



 


 使っている革はベンズレザーの5,5ミリの極厚一枚革。

 この厚みじゃないとこの無花果は成り立たない。

 でもこの革でこの形に成型するのはかなり骨が折れました。


 ちなみにこの色は特別に調色したグリーンターコイズ。

 良い色になりました。



 


 先ほど書いた無花果の花言葉。

 色々あるのだけどここでは 『多くの実り』



 


 ブラックにターコイズブルーステッチ。


 花が咲かない果実と書くが実は花が咲く。

 それが特殊で実に中に無数に咲いているらしい。

 だから正確には花が咲かない果実ではない。

 何と素敵な事だろうか。



 


 ダークレッド。


 さっきも伝えたけどこの鈴は小さく鈍く唄う。

 小さな声や意見に耳を傾けていればやがて多くの実りとなる。

 そうある時に舞い降りて来てこれが生まれた。


 だからガーディアンベルでも無ければベルでもない。

 『いちじくの鈴』で良いのだ。



 


 葉っぱの様なグリーン。

 全てアルコール染料をベースにしたオリジナルの染料なので経年変化はしても色褪せる事はほぼ無い。



 


 ブラウンも渋い。

 ステッチも全部変えているので同じ物は一つもありません。



 


 このブラックも一見同じように感じますが全部違う。

 そうなのが好きなのです。



 


 実はこの穴の周りは焦げ茶の顔料でグラデーションを掛けながら着色しています。

 当然裏側も。

 エイジングした真鍮などの金物達とこの革との境界線を繋ぐ役割とアクセント。


 そして見ての通りにこの場所に文字を柄のように彫ります。

 手染め加工なのでこのように文字の色が違う色で綺麗に浮かびます。


 


 今回はあえてビーズなども使わず素材感と革の仕上げのシンプルな勝負。

 この文字を入れる事で唐草模様の様に仕上げます。

 もちろん現地の目の前で好きな言葉を彫って柄にします。

 それがアクセントとなり唯一無二の完成形です。


 
 



 価格は一つ2500円。

 数は少ないのと同じ物は無いので気になる方はお早めに。



 最後にもう一つだけ無花果の物語を。

 どう読んでも無花果でいちじくとは読めない。


 元々は 『一熟』 がなまっていちじくとなったと。

 いちじくは一日に一つずつ果実を熟すらしい。


 毎日大切に一つずつ・・・

 何とロマンチックな事だろう。


 小さくても毎日必ず良い事が訪れる。

 大事なのはそれを感じられるかどうか。

 全ては己次第。


 無花果~いちじくの鈴~




 新潟の大地でいちじく博士がお待ちしています。
 




 
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 今回のカテゴリーは 『出店&イベント』 

  


Posted by SUGAR工房 at 04:25Comments(0)出店&イベント

2021年09月13日

今年のバイブズパッチキーホルダー

 9月になり急に涼しくなりました。

 最後に残暑を感じさせてもらえなかったような気がする。


 そして新潟のバイブズキャラバン延期となってしまいましたね。


 9月25日、26日になりました。

 場所は同じ妙高の会場。

 その場所で再来週お待ちしています。



 


 もちろん今年もバイブズパッチキーホルダー作ります!

 写真は定番の黒。

 ステッチは何色でも当然会うし、何より男らしい。


 


 こちらも定番のナチュラル色。

 油分をたっぷり含んでいますので味のある経年変化を楽しめます。

 

 


 どの革でも5ミリ以上厚みのある革を使っています。

 正確には今回は5,5ミリは超えています。


 少しでも革を触る人ならわかると思いますが、これだけ厚みがあると切り出すだけでも一苦労。

 同じ曲線を全くブレずに切り出すのはとても難しい。

 縫うパッチが全く同じの為そこはアレンジが出来ない。


 金型を作ってもらってプレスで抜いてもらうという手もありますが、この厚みだとカット面が斜めになってしまう。


 何よりハンドメイドから離れてしまう気がして温かみが薄れる気がしてならない。

 そこで辿り着いたのは切り出すでも抜くでも無くて、削り出すという考え方。


 一枚一枚ソリと革の目を読みながら削り込んで成型しています。

 



 これはライトブラウン。

 厚みは同じく約5ミリで数量限定です。

 ちょうど良い素材を少しだけ手に入れる事が出来たので作りました。


 


 ダークブラウンも5ミリ厚で僅かですがあります。

 この手の色の物は文字を彫った時にハッキリと浮かび上がります。



 


 もちろん今年も目の前で好きな文字を彫ります。


 ただし今年は少しだけ変更点があります。

 先ずはプライス。


 11年目の宮崎のVMから作り続けていますがずっと1000円でやって来ました。

 世間一般的に材料費の高騰によりと言いたい所ですが正直それはあまりありません。


 最初は少量を3ミリの革で始めていたので半裁の端材なども上手く使いながら始めました。

 シンプルな物だからこそクオリティーや存在感をより重視して行き、4ミリになり4.5ミリや5ミリ以上に。

 切り方や仕上げ方も何度も改良して来ました。


 今では端材ではなくこの為に質感の良いベンズレザーを仕入れています。


 苦渋の決断として今年から黒、ナチュラル、ライトブラウン、ダークブラウンのベーシック色を1300円に価格を見直します。

 その代わり送料も含めた価格です。



 長年作ってきた方には申し訳ないですがご理解下されば嬉しく思います。
 

 


 そして今回は特別に手染めの限定カラーを作りました。

 まずはレッド。

 ピンクから少しずつ色を深くして後染めで仕上げてあります。



 


 パープル。

 好みの色を出す為には調合を変えながら3回染めます。

 それ以上染めると層が厚すぎてしまう。

 染めの深さは一ミリの層。

 この位だと文字を彫った時に綺麗なグラデーションとして浮かび上がります。



 


 少し枯れたようなグリーン。

 使う染料はアルコール染料でその後にマット仕上げでコーティングを施してあります。

 ですので経年変化はしますが日光などによる色褪せや色抜けはほとんどしません。



 


 最後にネイビー。

 今回手染めの物はこの写真に載せてある数が出店する3会場で全部です。

 欲しい色があればお早めに。



 


 もちろんパッチを縫いつけてしまえば見えなくなる裏面もコバも染めた後に仕上げ処理もしてあります。

 一つずつ精一杯の想いを込めて。

 コバはベーシックカラー、手染めカラー共々2種類の仕上げ処理とコーティングも行っており、長年経ってもほぼ毛羽立つ心配もありません。


 この手染めのレッド、パープル、グリーン、ネイビーは送料込みで1500円で販売します。


 初めての方はわかりづらいかも知れませんのでもう一度流れを説明します。


 革の色を選ぶ ↓

 縫う糸の色(白、黒、ベージュ、茶、緑、黄緑、オレンジ、赤、濃赤、ターコイズ、山吹色、青、紫) を選ぶ ↓

 お客さんのパッチをお預かりして縫う ↓

 裏にお好きなメッセージなどを彫る ↓

 約一週間後に発送


 それを全部含めた金額です。



 



 今回のもう一つの変更点。


 出来るだけその場で縫って会場で手渡してそれを大事な旅の思い出として帰って頂きたい。

 ずっとその想いで作り続けて来ました。

 当然その想いは11年経った今も全く変わりません。

 でも去年の愛知のキャラバンで思ったのは、キャンプミーティングとは違って滞在時間が短いという事。

 他の商品の対応を考慮すると集中して縫えば15分な所が30分位掛ってしまう。

 そこの前に何人か待っている人がいると手渡せるのが2時間後とかになってしまう事もあった。


 一人で走ってきた方ならまだしもグループで来ている人にはとても申し訳なく感じました。

 ですので今回キャラバンでは会場で縫えるのは本当に時間に余裕がある人にしようと思います。



 


 
 その代わりという訳ではないですが、その場でご自身で縫って仕上げるワークショップ的な場所を作ります。

 去年流れでやったのですが、とても素敵な時間でした。

 ベンチと指サックなどの道具も用意し、縫い方のコツ丁寧に教えます。

 
 革にはあらかじめ正確に穴が開いていますが、パッチ側の縫い目を出すのは手探りの感覚のみです。

 なのでワークショップでは多少縫い目が乱れるかも知れませんがそれも良い思い出となると思います。


 色んな話でもしながら一緒に楽しめたら最高だと思います。

 当然ワークショップ代金みたいな物なんか頂く訳ないですし~。
 


 説明がとても長くなってしまいましたが、これが今年のバイブズパッチキーホルダーです。

 よろしくお願いします。


 SUGAR工房



 PS

 同じく5,5ミリの革を使ってニューアイテム製作中。

 楽しみにお待ちください。








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 今回のカテゴリーは 『出店&イベント』 『パッチキーホルダー』

 
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 特に 『#刻の腕輪』 と検索すればバングルウォッチが一覧できるようにしました。