ハンドメイドでレザークラフトをやっています。合間にハーレーとワーゲンの空冷エンジンで遊んでます。そんなラブ&ピースなブログです。

2022年04月03日

いつでも常夏はいつまでも常夏に。

 4月になりましたね。

 近所の桜も満開に咲いてます。

 春の匂いに包まれると心も躍る。

 新しい事が始まる季節。

 今日は明日には昨日になる様に今は今でしかない。

 後悔はいつか想い出に変わる時が来る。

 だから今を生きよう。






 今回は思い出深いウォレットの話。

 昔にこのブログで書いた事があるからマニアな人は見た事があるかも知れません。

 そもそもそんなマニアはいないかww

 あれから数年大切に使ってもらってのメンテナンスとプチカスタムをさせて頂きました。





 このウォレットの詳細に着いてはここで書くと長くなる。

 書ききれない程のロマンが詰まってる。


 その長文にいじめられたい方は下記の過去のブログのリンクを読んで見てください↓



 https://sugarkoubou.hama1.jp/e1545338.html

 『いつでも常夏なONEちゃんのウォレット。』



 この写真はその納品の時の物。

 あれは確かバイブズミーティング茨城の会場だった。


 『いつでも常夏ってタイトルだけでウォレットを作って欲しいねん。』

 福岡で聞いたそのオーダーは衝撃だった。

 それを作る方も頼む方もどっちもどっちですねw


 そのウォレットを持って去年の年末に大阪からはるばる神奈川にONEちゃんがやって来た。

 一人ではなくて奥さんと二人で。

 結婚指輪をオーダーする為に思い出の場所であるYABASTAに。






 今回はウォレットの修理とロープの新調。

 前回作らせてもらったロープをさらに進化させた。

 より丈夫に。

 よりスタイリッシュに。

 そしてシンプルはそのままに。


 今までやった事だったり、ずっと考えて来たアイデアと技術を一本のロープに落とし込んでみた。





 中には芯材として水に強いベンズレザー。

 丸みを出してしなやかに曲がる様に下処理を施して。





 両端を折り込みながら薄くて強いオイルレザーで包む。

 手縫いでしっかり締め込んで形を形成してあります。





 真鍮の金具は少し青錆のエイジング加工。

 




 金具とロープを繋ぐ部分は力が掛かるので厚い革。

 だけど中に芯材がある為にそのままだと盛り上がってしまうので真ん中をえぐり加工。






 そうして出来上がったロープを持って辻堂まで走った。

 ウォレットの方は事前にメンテナンスと少し改造した物をYABASTAに託してある。


 2月の終わりの湘南の海はもう春の色をしていた。



 


 そこには話を聞いていたクロさんも来ていて賑やかだった。

 今回もONEちゃん夫婦は結婚指輪を受け取りにわざわざ神奈川まで来てくれた。

 もちろんウォレットとロープも。


 出来るだけ拘りたい俺たちのモットー。

 『大切な物は手渡し。』





 想像を遥かに超えてくる祐一の作るリングは人を感動させる。

 もちろん今回も例外なくそう。


 そんな想いの詰まった物作りを自分もいつもしていなければと思わせてくれる。


 『指輪の交換は?』

 と煽るとノリの良いONEちゃんはすぐに跪いてやってくれる。





 すると奥さんもすぐにノリで返す。

 この辺りはさすが関西人だわ~ww



 


 思い出のONEちゃんSPECIALのコンチョ。

 今回は試行錯誤してより安心してボタンの開け閉めが出来るように加工してくれた。

 

 


 同じく真鍮で作られたキーフック。

 サラっと本当に粋な事をやってくれる男。



 


 戻る劇所に戻った様にONEちゃんのポケットにちゃんと収まるコイツ。

 そこから覗くコンチョの面。

 笑ってるね♪



 


 チラリと見えるキーフックと大人の長さのロープ。

 いい感じ。

 これでまた好きなように旅をしてもらいたい。



 


 いつでも常夏とオーダーされたウォレットは変化していた。

 それは今回のカスタムや経年変化だけの話ではない。


 いつも誰にでも優しくて面倒見の良いONEちゃんによってだ。

 俺たちにとってはいつも常夏な仲間。


 そのポケットで温められるといつでも常夏はいつまでも常夏なウォレットになって行くのだろう。






 わざわざ大阪からありがとうございました!

 そして作らせて頂き喜んだ顔を見れて幸せでした。


 祐一とレイサちゃんもいつもありがとう!

 
 クロさんを含め楽しくて貴重な時間をみんなで共有出来るって最高でした。


 またどこかで会いましょう♪



 

 機会は訪れる物ではなくて作る物。

 
 
 
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Posted by SUGAR工房 at 12:10Comments(0)オーダーメイド

2022年02月13日

身体と意思を繋ぐベルト

 


 今月の11日に発売されたバイブズNO341

 その特集である 『OVER THE WIND』

 ハンディキャップを乗り越えてでもバイクに乗り続ける強い意志。

 とても感動しました。



 


 この特集で巻頭を飾った一台のバガートライクと一人のあるバイク乗りの表情。

 内容は雑誌を読んで頂ければわかりますが、SUGAR工房もこの物語にほんの一部だけ携わらせて頂きました。

 

 


 少し前の話なのですが、いつかこのバイクとオーナーの事が世の中に出るまで大切に取っておいた話です。

 世の中に出るという表現が正しいかはわかりませんが、一番最初に紹介するのがSUGAR工房のブログやSNSではないという事。

 順序や配慮いうか、自分の中では関わった人への敬意として。



 


 それは確か去年の5月の終わりころだっただろうか。

 一通のInstagramのDMだった。

 差出人はセレクテッド東京のHIYUさん。


 『今製作中のカスタムバイクのベルトを作ってくれませんか?』


 バイクのベルト?

 最初意味が分からなかった。

 そもそもセレクテッドさんとのお付き合いもなく突然だったので電話をして直接お話を聞きに行った。

 その時のバイクの状態がコレだった。



 



 正直お店に向かっている時の気持ちは複雑だった。

 セレクテッド東京と言えばニュースクール系のカスタムで数多くのショーでアワードを取り、あの有名な映画のバイクも手掛けていたカスタムショップ。

 少しだけ電話でお話こそは聞いたものの何百万するカスタムバイクの仕事に関わる事のプレッシャーもあったのも事実。







 実際にお会いしてバイクを見ながらお話を聞かせてもらった。

 作りたいのはバイクと身体を固定する革のベルト。

 オーナーのユンさんは下半身に力が入らない為にこのベルトが必要になるそう。

 以前チョッパーさんが作ったトライクを長く乗っていて、降りてから数年。



 



 腕の良く名の知れた革の職人さんは多くいる中でなぜ面識すらない自分に声が掛かったのかを聞いてみると

 7th-Heaven Art Jewelryの馬場さんから紹介してもらったと。

 馬場さんとは一度だけご挨拶をさせて頂いただけであるが、自分の周りには深くつながっている人も多い。

 そして今や世界でも一目置かれるシルバースミスである。


 その馬場さんがSUGAR工房を紹介して頂けるなんて責任も大きいがとても光栄な事。


 



 何より

 『もう一度バイクに乗せてあげたい。』

 その一言でそれまでの全ての迷いは吹っ飛んだ。

 シンプルでこれ以上の言葉はない。



 


 まず取り掛かったのはバイクとベルトを繋ぎとめる金具。

 そのイメージは帰り道にバイクの上で浮かんでいた。


 何かを思いついたりヒントは、ふとした時やバイクの上だったりする事が多い。


 何か代用できそうな物を探したが、どれもほんの少し違うので一から手加工で作る事にした。

 5ミリの銅板を切り出して微調整を繰り返して出来たカッパーカラーのジョイント。



 
 


 その後オーナーのユンさんも交えて再度打ち合わせと採寸。

 その時にはリア周りのFRPの仮付けが出来上がっていた。


 色んな話と想いを聞かせて頂きました。

 寸法や形はもちろん季節の違いのシーンやこだわりなども含めて

 正直見た目は少し怖いけど、バイクの話をする時の目はキラキラして優しかった。

 そして強かった。





 大きなこだわりの1つであるトライクに見えないギリギリの幅のバイク。

 実際は横に車椅子を入れる箱が付くが正面から見るとほどんどバイクのシルエットに近い。


 事前に作って来た銅のジョイントが当てがって話を詰めて行く。

 ベルトを作る者、バイクを作る者、それを乗る者、支える者。

 それぞれ違うがベクトルは全て同じ。



 


 ジョイントはセレクテッドさんでブラックのパウダーコートを施してもらいました。

 実に美しい物になった。

 小さなパーツだけどズシリと重厚感が漂う仕上がり。


 


 そして7月に完成した。

 使った革は程よくマットな2ミリ厚。

 それを耐水性を高める加工を施して裏表で2枚に全て縫い合わせた。

 そうする事で両面が吟面となって更に摩擦と雨に強くなる。

 暖かい時期はTシャツの中にベルトを通すとの事なので汗にも強くなり痒くなりづらい。

 もちろん身体と触れる部分の裏面には金具を使わない。



 


 バックルは黒メッキが掛かった物を使った。

 形はシンプルで余計な主張をしないように。

 それはバングルだけじゃなく全体的にそう気を使った。



 
 
 
 このベルト単品をポイントとするならばもっと色々と考えられる。

 配色やレースアップ、スタッズやシルバーコンチョなどの装飾なども良いのかも知れない。



 



 でもこれはあくまでもバイクのパーツ。

 バイクとの一体感とバイクを引き立たせるための役者で無ければならない。

 そこに色々とアレンジするのはただの職人としてのエゴに過ぎないと思う。


 

 
 何よりもこのベルトは身体とバイクを繋ぐベルトなので耐久性が大事。

 命を繋ぐ道具である。

 そして車椅子を担ぐ際のグリップの役割もあるのである程度のコシも必要。



 




 当然ながらいくら全てに強靭なナイロン糸を使っても革は少しは伸びるし、使っていればいづれ糸も切れる。

 特に何度も通すバングル部分などはへたりやすいのは否めない。


 極力それを考慮して作ったがそれは壊れにくい物。

 遠方や連絡先の知らない人とまた連絡の取れる人や近場の人とも作る物も変わってくる。


 今回は壊れない物ではなくて直しやすい物。

 ダメになったらいつでも直せるって思う安心感があると使う人は純粋に楽しめる。






 実は一本失敗したので作り直しました・・・

 作っている内にもっと良い方法が浮かんでしまい納得できなくてやり直し。

 入念に考えて計画しても手を動かす事でしかわからない事がたまにあります。

 それもまた甘いのかも知れませんが、時には少し嬉しかったりもする。



 


 そして7月中旬に納品。

 写真はセレクテッドのHIYUさん。

 聞けば元俳優さんで相当男前です。

 とりあえずSUGAR工房の仕事はここで一幕終了です。

 ありがとうございました。
 


 予定では7月末の納車のはずだったのが、外装の遅れなどでまだまだ先になるらしい。







 そして12月の初めになってとうとうこの日がやって来た。

 実際のバイクの完成度は想像を遥かに超えていた。

 さすがの技術力とセンス。

 そして良い物を作ろうとする果てしない努力の形がそこにあった。


 それに初めて乗り込み走らせる。

 元々車椅子トライク乗りなので最初だけ少し戸惑ったもののすぐに乗りこなしていた。



 



 いくら完成度を高めた物を作ってもある意味いつまでもバイクとしては完成しない。

 車とは違い最後の完成の仕上げは人そのものである。

 そのオーナーが跨った時にこそバイクとして成り立つ。


 人馬一体と言う言葉。

 まさにこの写真を見ればわかる。

 
 


 ベルトも丁度良いと喜んでくれた。

 やっと一安心し心から嬉しかった。

 これで本当の納品完了となる。



 


 夕暮れの中を少し走って来て笑ってユンさんは言う。


 『やっぱりバイクは最高だな!!』


 今ここにいる全ての人がその表情と一言だけで満たされていた。


 



 写真だとわかりづらいですが塗装も芸術品の様に綺麗だった。

 チョッパーさんが作るトライクも迫力があって確かに格好いいけど、このバイクは全てが美しい。

 これはセレクテッド東京さんでしか作れないバイク。



 


 最後の目的地はユンさんというオーナーさんの笑顔の為。

 どんなに試行錯誤を繰り返して壁にぶち当たっても明確なこの目的があるから。

 それに少しでも携われた事を心から誇りに思います。




 


 身体の自由を失ってもまたバイクに乗りたいと思う意思。

 そして金銭面の事も含めてその為にどれだけの努力をして来たのだろう。

 ユンさんはそれを見せないが、到底自分達には想像すら出来ないであろう。

 ずっと変わらずバイクに乗っている俺たちが決してわかったような事など言えない。

 だから冒頭にも書いたとおりに本当に強い人だと思う。


 違う言い方をすればそれでもバイクに乗りたいと思う事って。


 以前ある方が言っていた。

 『バイクは人類が作り出した最高傑作の一つだ。』 と


 ますますバイクの魅力を感じさせて頂きました。



 半年間溜めたブログだけに書きたい想いに溢れて恐ろしい長文になってしまいすいません。

 
 最後に

 SUGAR工房に作らせて頂いたユンさん。

 信じて頼んでくださったセレクテッドのHIYUさん。

 紹介してくださった7th-Heaven Art Jewelryの馬場さん。


 おかげで心に残る仕事と経験をさせて頂きました。


 ありがとうございました!

 
 
 SUGAR工房 
 


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Posted by SUGAR工房 at 19:38Comments(0)オーダーメイド

2021年08月22日

三匹へ感謝のドッグタグ

 夏の終わりのハーモニー


 暑くてしょうがない程に夏を満喫したいお盆休みは結局雨の連休となった。

 そんな夏を取り逃がした感のまま。


 出店を楽しみにしていたタッチミーティングも中止になってしまいました。

 今新たな目標に向かって準備を始めています。

 
 先月号の佐渡ヶ島バイブレーションズ

 素敵な反響があったようで嬉しく思う。


 


 今回はドッグタグキーホルダーの話。

 この写真は絵ハガキで佐渡ヶ島から届いた物。

 お礼の気持ちにとわざわざこうして作ってくれた事が何よりも嬉しい。



 

 
 事の始まりはこのキーホルダーからだろうか。

 昔福島ラバーズの参加賞として少量作った物。


 『 HAMADORI 浜通り

    NAKADORI 中通り

     AIZUTIHO 会津地方

  -PROUD OF FUKUSHIMA- 福島を誇りに思う 』

 こんな想いを込めたドッグタグをアディクションズの晋平さんに打ち込んでもらい革でキーホルダーにした物。


 これを以前から見ていた中川さんの奥さんからの依頼。






 もちろん今回もドッグタグはアディクションズ。

 三匹の愛犬の名前と生まれが打ち込まれている。


 その右側のスペースに少しだけ言葉を付け加えさせてもらった。



 


 側にいてくれてありがとう。

 おかげで私は生かされている。


 そんな気持ちを込めて革で作らせて頂きました。

 糸の色や金具のバランスも物語に沿う様に。



 


 佐渡に根を張って生きる事。

 何度か島には行かせて頂きましたが本当の所は自分には知り得ないかもしれない。


 いずれ大人になって佐渡を離れて行く若者の背中。

 美容師という仕事柄何度それを見送り、背中を押して来たのだろうか。


 その中でずっと側を離れない3匹の瞳。

 その感謝の気持ちと愛おしさ。

 それを形ある物として作れただろうか・・・



 


 少なくともこの絵ハガキは自分の宝物。

 それで良い。


 作らせて頂きありがとうございました。

 そしてこんな素敵な絵ハガキまでありがとうございました。



 


 ちなみに今回は代金ではなくてその内酒を送ってくださいとお願いした。

 あの時皆で飲んだ普通の金鶴でと。



 なのに中川さんから届いたのは申し訳ない程のこんな極上の酒が大量に。

 本当にありがとうございます!



 佐渡ヶ島バイブレーションズを読み返しながら味わわせて頂きます。




 PS

 どんな極上の酒もあの島で皆で一緒に飲む酒とは少し違う。

 でも不思議とそれが嬉しかったりもする。


 また一緒に飲み交わしましょう!


 

 


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2021年06月21日

約15年の時を超えて

 ここに一つにウォレットがある。

 二つ折りの折り目がボロボロになった物。

 いつも尻ポケットに収められていたそいつは幾度となく汗を吸い込み、毎日使う事で常に脂は補給されていたのだろう。

 片面は濃厚な飴色に完全経年変化し、もう片側はそれを遥かに通り越して黒ずんでいる。


 10年位経った時に一度補強させてもらった事があり、その時も感謝の気持ちをこのブログに書き綴った。

http://sugarkoubou.hama1.jp/e1482155.html



 そして今回。

 さすがに作り直す事にしました。

 オーダーの内容は

 『全く同じ物を作って欲しい。』



 


 そして完成したのがコチラ。

 カービングの2つ折りのウォレット。

 いろいろ悩んで答えを探りながら作った物。


 
 


 悩んだり考えるにもいろいろあって

 始める前に徹底的にイメージを完成させてからやる方法と

 やり進めていく内にイメージがどんどん膨らみ止まらなくなる方法。



 


 前者にはほぼ失敗はないけど、動き出す前に詰まる事がある。

 一方後者は膨らみすぎて途中で作り直してしまう事もある。


 自分は比較的後者のやり方が好きだったりする。

 実はこれもほとんどのパーツをまた一から切り直しました。



 


 久しぶりにやったレザーカービング。

 オリジナルのフラワーカービング。

 スーベルカッターを研ぎ直し、今回は普通のカービングでは使わない道具も使った。

 今の時点ではとりあえず納得できるものは彫れたと思うが、まだまだ勉強する事は多いなと感じた。



 


 
 15年前他の誰かが作った物ではなくて

 自分が作った物をと全く同じ物を作る事。


 それは簡単な事に思えるかもしれないが、自分には難しい課題だった。



 


 
 15年経ってこそ出来るようになった技術。

 持っている設備も変わったし、見方や考え方も多少は変わる。


 あの時と全く同じ物を作る。

 その答えがコレだった。



 


 正確には今の答え。

 あの時には出来なかった事は全部補い、やれる事は全部やる。



 



 結果、糸の入れ方や、熱処理、カービングの柄も変えた。

 あの時のセンスを十分になぞりながら。



 


 答えは受け取るTさんの表情が出してくれるものだ。

 細かい所では、色の乗せ方や、漉きの入れ方も違う。


 そして痛んでくる所にはあらかじめ補強を入れてある。

 

 


 それはクタクタになった現物がその人の癖まで正確に教えてくれる。

 いくら本やネットを探してもそれだけは見つけられない。



 


 ここまで使ってくれた事に感謝はもちろん敬意を感じます。

 特にコレを直してくれと頼まれた訳ではないのに、大事に持って帰って来た。


 いつか何かをして返そうと思う。


 



 自分でも驚いたのは15年経った後でもコバが光ったままだった事。

 大きな自信となった。


 こんなになるまで使ってくれて

 また自分に頼んでくれて

 あんな表情で喜んでくれて


 本当に物作り冥利に尽きます。

 ありがとうございました!


 今回のは更に強くなっているので次の機会は果たして何年後でしょうね。




 

 いつも思うけど作って納品した時点では自分なりに究極の未完成品。

 それを完成品にするのは自分じゃないし、出来ないと思っている。

 
 ここに一つのウォレットがあるとの冒頭は

 ある意味究極の完成品なのだろう。
 




  PS

 今月の24日から数日旅に出ます。

 大切な場所に素敵な人達に大事な用事があって。


 来月楽しみにしていてください♪



 さぁ!Vibrations !




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2021年02月28日

GUCCI×Android

 今月もあと少し。

 今までで一番目まぐるしく駆け抜けたような2月だった気がする。

 やりたかった事、やらなければいけない事が溜まって行き少し焦る自分。

 このブログもそうだ。


 一つの考え方ではそれほど充実していたのかも知れないけど、今日は違うとはっきり思った事がある。


 夕方暗くなりバイクを修理していると息子に言われた。

 
 『今日の月見た?ビックリするよ。』


 ハッとなって外に飛び出して空を見上げた。

 そこには街頭の電気よりも明るくて大きな満月。

 十五夜。


 いつもあれだけ空を見上げていたのにいつの間にか見なくなっている自分がいる事。

 時間の余裕ではない心の余裕。


 忙しいはただの言い訳。

 そんなのは充実した時間ではない。


 いつも自分の方から空の話を出来る大人でいなくちゃね。



 


 今日はこんな変わりネタ。

 一目瞭然のGUCCIのGG柄。

 もちろん本物のバッグを解体して作っています。

 本来の色合わせに寄せて自分なりにアレンジして作りました。



 


 中もSIMPLE。

 当然カードポケットもありません。

 見ての通りの手帳型のスマホケースです。


 なんでコレを作る事になったかと言うとそれは昨今のスマホ事情。


 iPhoneのケースを探せばどんなデザインでも星の数ほどありますが、最新式でも少しマイナーなandroidになると違う。


 『この中だけで選ぶのか・・・』

 って言うほど限られる。



 



 汎用の手帳型ケースならそこそこ出ているけど、やはり汎用は汎用。

 カメラで撮影する時にはスライドしてレンズを外に出さなければいけない。


 無いなら作ればいい。

 ありそうで絶対ないような好きな物を。


 そう思えれば逆に楽しい事。


 それにしても最近のスマホはレンズが4つも付いているから凄い。



 


 あえてセンターにリボンを持って来てるのでインパクトはあります。

 一日に何度も開けるボタンはジャンパーではなくホックボタンの方が気を使わなくていい。


 元々薄い革を使っていますが、必要に応じて部分的に漉いています。


 GUCCIの正規品では決して作る事のないマイナーな機種の為の専用スマホケース。


 これだから物作りはたまらなく楽しい。


 オーダーありがとうございました。

 周りの方からもよく話しかけられるって喜んでたようです。


 毎日使う物だからこそ妥協しなくて良かったですね♪




 PS 少しバイクの話。


 



 自分のシャベルのマフラー。

 
 最近高速で全開にぶっ飛ばした後にフロントのプラグだけかぶるトラブルに頭を悩ませていた。


 陥没していた事は知ってはいたけどまさかここまでとは・・・



 


 河口湖まで走った時。

 先日の千葉からの帰り。


 このフロントの抜けの悪さが関わっているような気がする。


 そうだ!アイツに直してもらおう♪


 と、言う事で次回はそんなトラブルシューティングの紛争話でも書きます。


 


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2021年02月06日

風神と雷神が見守る。

 2月になりました。

 なかなか更新できないこのブログ。

 そんな事していたら春一番に先を越されてしまいましたね。


 そうだ!

 最近とても嬉しい事がありました。


 一年前の骨折以来ずっと浮腫みが取れなかった右足にとうとうエンジニアブーツが通りました。

 何だそんな事かと思うかも知れませんが、自分にはそれは大きな進歩。

 進歩と言うよりやっと振り出しまで戻せた感じ。


 毎日夜中にリハビリをして取り戻したバイク乗りとしての意地。


 明日履いて爆走する事としよう♪



 


 これも前に作らせてもらった物ですが思い出のキーホルダー。

 中にはコインが埋め込まれています。

 
 そのコインは2020年のオリンピックとパラリンピックの記念の500円硬貨。


 依頼主はアディクションズの晋平さんでした。

 
 ある日電話が掛かって来て

 『記念硬貨を背中合わせにして革でキーホルダーを作れませんか?』


 やった事も無かったけど即答で引き受けました。

 それからいろいろと悩んで考えたけど不思議と不安は一切なくワクワクした少年の様な気持ちだけでした。



 


 それで閃いて最初に作ったのは革ではなくコレ。

 2ミリの塩ビ板を溶接して張り合わせてくり抜いたこのベース。

 表と裏の両面に少しだけコインが埋まる様に作っています。


 なぜコレが必要なのか?

 普通にコインの柄が見える程度に革をくり抜いて挟み込むだけでは雨にでも降れてキーホルダーを捻じってしまえば外れてしまう。

 外れない位に包み込めば柄が消えてしまう。

 しかもコインを背中合わせで固定するにはボンド的な物で張り合わせなくてはいけない。


 いつかまた硬貨として持っていたいと思った時にボンド跡などがなく無傷で戻す事が出来るように。

 
 埋め込んだコインと塩ビのベースとは絶対に外れないように接着してありますが、それは塩ビをだけを溶かして溶接しているだけ。

 つまりまた溶剤を入れて更に塩ビを溶かして外してもコインには一切反応しないので硬貨としての価値は失われない。


 説明すると難しいですが、コレは自分の持っている特殊技術です。



 


 こちらは風神様。

 文字通り風の神様であり、その風の力は暴風を沈めて大切な農作物を守るとされている。

 
 さらに調べたら 『風邪を引く』 という言葉も関係しているみたいです。

 
 サドルのナチュラル色を少しづつ調整しながら染めたこだわりの赤。



 



 もちろん風神様とくれば、裏は雷神様。

 確かに格好いい記念コインですね。

 晋平さんがすぐ食いついたのも良くわかります。


 よく子供の時に雷が鳴ると親から

 『悪い子は雷様にへそを取られるよ!』

 と脅されて事を思い出します。


 『嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる。』

 これもよく言われていました。




 


 周りをかがっているレースも少し加工して調色しています。

 バスケットウエーブという編み方でボリュームも増して見えますね。


 使う金具も薬品を使ってあえてエイジングさせてみました。

 シンプルでありながらインパクトのある物に仕上がったと思っています。



 



 愛知のバイブズキャラバンで晋平さんに手渡す事が出来ました。

 ほぼ勝手に作り進めてしまった物ですが、とても喜んでくれて安心しました。


 風神様と雷神様が背中合わせで見守ってくれているコインキーホルダー。

 とてもご利益がありそうですね♪

 そして晋平さんは今後もへそを取られることも舌を抜かれる事もないでしょうww



 こうして作らせてもらえた事を本当に嬉しく思っています。

 初めての事で色々と得る事も多かったです。


 ありがとうございました!

 秋には更に味の出たキーホルダーを見れるのを楽しみにしています。




 PS

 最近食べた最高の物を二つ。



 


 一つ目は八王子の竹乃屋のメンマラーメン。

 これでもかと乗っている自家製メンマと昔ながらのラーメンが大好き。

 しかも古い店ですが当時の最先端のオートボイルという物があります。

 

 


 二つ目は房総半島名物のとしまやのチャーシュー弁当。

 これは説明不要。


 この二つは自分にとってずっと変わらないソウルフード。

 お近くに来た際には是非!








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2021年01月20日

想う樹持ち。

 もう1月も後半戦なのですね。

 寒い中でもバイクで銭湯に行くのが好き。

 健康ランドやスーパー銭湯じゃなくて古びた街の銭湯ね。

 暗黙の秩序と人情に心の芯から温まる。


 個人的には子供の教育には一番良いように思える。


 古くても何とか頑張っている銭湯もたくさんある。


 素敵な昭和の世界が少しでも残っていて欲しい。





 少し前の嬉しい事。

 今回は特注の作り物の話をします。





 『樹持ち』


 木の持つ力。

 物事は己の気の持ち様。


 今回は佐渡ヶ島からのオーダー。

 佐渡ヶ島のカリスマ美容師へのプレゼントとしてスタッフからの依頼。


 もうこれだけでわかる人は多いはず。


 自分に取っても両者は大切な仲間なのでどんなのを創ればいいかよくわかる。

 だからこそ簡単そうで難しいのかも知れない。



 


 解りづらいけど、透明なレジンの中に漆黒のスカルが鎮座している。

 正面には大切なJAM’Sの名前。



 


 僭越ながら側面にその信条を彫らせて頂きました。

 ずっと生まれ育ってきた島で築き上げて来た想い。


 毎年この時期になると想像する。

 成人式を迎えて島を出て行く若者達をどれだけ見て来たのだろう。

 寂しい気持ちを抑えながら出来るだけ気持ち良く送り出してあげようとハサミを握って来たのだと思う。


 都会育ちの自分達にはわからない事なのだろう。

 でも島に帰って来た時にも変わらず待っていてくれる店がある。

 

 


 それは最初の銭湯の話じゃないけど、それがどんなに嬉しい事であるのか。

 誰かが守ってくれているからこそ、その文化がいずれ誇り高き歴史に変わる。


 今回のこの樹持ち。

 人が人を想ってこそ生まれ、繋がりありきで作らせてもらえている物。


 だから

 『想う樹持ち』



 良きリーダーと、良きスタッフに囲まれたJAM’S。

 そこに訪れる人の優しさや島に吹く海風。

 その全てが三位一体となってそこにある。


 遠くからこれからもずっと応援しています。


 オーダーありがとうございました!

 
 今年はまた皆で走りたいな。







 

 PS

 環八にある『みそ一発2』

 ここも古くからの歴史ある店。


 
 


 色々食べて来たけど自分的にはやっぱりここの味噌タンメンだな。

 熟練の職人さんのアシスタントはあの伝説の店長さんという選手層の厚さも魅力。


 
 またいつかごまラーメンも食べたいな・・・
 


 



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2020年10月18日

HAPPY SMILE KEYS

 10月の中旬。

 急に寒くなりましたね。

 でも革ジャンで過ごすには最高の季節。

 ハーレーのエンジンにも優しい気候になって来た。

 その2つの組み合わせは唯一無二の快楽。


 私事ですが来週に少し入院して1月に骨折した足の金属を抜き取ります。

 なのでしばらくはバイクには乗れなくなると思います。

 
 

 『バイブズキャラバンに出店しないのか?』

 『今年もキーホルダー作って欲しい。』

 と多くの方から問い合わせ頂いているのですが、現在の所出店しない予定です。


 足の回復の様子と過積載のバイクで長距離走れそうになってから考えさせてください。

 ですので毎年パッチキーホルダーを楽しみにして下さっている方は来年どこかで作るか、郵送での対応をさせていただくつもりです。


 
 今回はちょっと変わった作り物の話を


 


 こんなキーケース。

 これは完成写真です。


 実は自分が作った物ではなくてレッドムーン製らしいです。

 独特のデザインで格好いいですね。

 飴色に経年変化した感じからとても大切にして来た物だと伺えます。


 それを自分がリペアとカスタムをさせて頂きました。


 


 受注前に送られてきた写真。

 キーナスカンが見事に飛んでいます。

 大分愛用して来た証拠なのでしょう。



 


 これだけのキーを付けていたそうです。

 まぁズッシリと・・・

 レイサちゃんのスマイルキーホルダーもいますね♪


 そもそもこれだけのごつい物をたくさんぶら下げるのにキーケースという物が必要なのだろうかww

 ホックの意味はあるのかな・・・


 まぁその点は置いといて、なかなかの重さがありそうですね。

 
 それをぶら下げられるように壊れた金具を交換して、追加のDカンも付けて欲しいとのご依頼。



 


 後日キーケースが遥々海を渡って佐渡ヶ島から届きました。

 依頼主はU-ちゃん。

 ちなみに佐渡ヶ島の大自然のように少し天然の美容師さんです。


 早速サイズを測って金具を交換。

 全体の雰囲気を見て今回はあえてアンティークゴールドの物を選びました。

 ギリギリのいい落とし所だと思います。


 金具自体はあの重さのキーをぶら下げていたら消耗も早くなるので、自分でも簡単に打ち換えて修理できるように予備でもう一つ同封しておきました。


 中川さんが直してくれるでしょうww



 


 そして内側のフラップ部分に追加の革ベルトとDカン。

 革の厚みも強度を考えて厚めにしながらも部分的に漉いていたりと変えています。

 
 金具も全部アンティークに合わせるのもどうかなって思って少し変化を



 


 右が加工前で左が加工後。

 少し地金を出して銅色なエイジングを。

 細かい所ですが大事な部分です。



 


 革も少し染色して全体のバランスを整えます。

 こんな作業も楽しい。



 


 コバもかなり毛羽立っていたので磨き直しておきました。

 ついでにオイルアップも。

 

 


 先ずは徹底的に磨き倒してからコーティング。

 その後に少しつや消し加工をして本体の雰囲気と馴染ませます。


 これでまた長年使えると思います。



 


 と、言う事で完成。

 今まで吸い込んで来た思い出を大切にしながら新しい物語を沢山刻んであげて下さい。



 


 最後にリューターで彫ってから黒を摺り込み染色。


 『Happy Smile Keys』


 この鍵を差し込むその先。

 そこに待っているのは大切な人との想いと、家族の笑顔。


 その車やその扉の先に待っている者はU-ちゃんにとってかけがえのない宝物。


 そんな人生の鍵の一部にこのキーケースがそっと役立ってくれれば嬉しい。



 


 樹持ちの注文もありがとう!

 鹿の守り神のガラスには名前を彫らせて頂きました。



 


 扉の先で待つ者へ。


 頑張り屋さんで頑張り過ぎてしまう優しいお母さんをちゃんと助けてあげてな♪



 

 


 ここからは納品後に送ってくれた写真を。

 やっと着けれるようになったこの重い鍵のご一行様。

 大変お待たせしましたね。



 


 え?

 あれ?

 皆さんお気づきだろうか?


 そう。U-ちゃんは少し天然の美容師さん・・・



 


 そのDカンに全部着けちゃうんだwww


 ナスカン金具を交換した意味あったかな・・・



 まぁいいや♪

 またいつでも直してあげるから好きにガンガン使ってくれればいいさ~



 頼んでくれてありがとう!

 待っててくれてありがとう!




 PS


 例のリノベーションバッグはまだ気長に待っててね♪



 

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2019年07月30日

手探りのTOOLBOX

 長過ぎた梅雨。

 急ぎ足の夏がとうとうやって来た。

 空を見上げると少しずつ夏の雲。

 明るい夕方。

 一日の暑さを労うような遅い時間の夕焼けのご褒美。

 セミの声もチラホラと・・・

 ヒグラシの声はまだ寂しくなるからいいや♪


 そんな夏になってしまいましたが春の終わりに納品した物を紹介します。


 

 
 さて、これは一体何でしょう?


 答えはツールボックス。

 工具を入れてバイクに取り付けます。


 これを頼んでくれたのは福島の森さん。

 ここでは通称でMOCOさんと言っておきましょう♪


 


 とてもとても時間が掛かってしまいました。

 本当に申し訳ない事をしたと思います。

 イメージはある程度まで仕上がっていたものの零エンジニアリングにて隙間なく作り込まれたチョッパーへのフィッティングに悩みました。

 自分のバイクだったり、近くにあるバイクなら作りながら当てがって調整したり、必要なステーを作ったり出来るのですがなんせバイクは福島にある。

 何度か現調しには行きましたが、なかなか思う様に進まず。

 そうしてやっと納品する事が出来たことが嬉しかった。


 


 もちろんこの中の黒い筒と外側は別体。

 この中に車載する工具が入ります。


 


 裏側。

 何かに革のカバーを作って縫い締めています。

 さて、その何かは何でしょうか?


 


 ちょっと妄想している間に脱線しておきましょう。

 この工具入れと共にMOCOさんにお渡ししたメディスンバッグ。

 柔らかい革と染色したサメ革。

 少し手直しして再納品。


 


 これにも色んな物語がありましたね。

 ポケットの形、用途。

 今となれば少しだけ使い方が違ってしまったけどこうして大事にして頂いているのを見ると嬉しくなります。


 


 話を戻しましょう。

 正解は塩ビ管なのです。

 あの水を通すあの管。

 MOCOさんと色々と話し合った結果コレを作る事にしました。


 


 きちんとプロの技術で重合接着で繋いでいるので密封性は間違いないです。

 そして塩ビ管は衝撃にもとても強い。


 


 蓋の部分のギザギザも全て削り落としました。

 革で見えなくなるとはいえとても大事な事です。


 


 段差もなくなるように一枚革で巻いてあります。

 ちょっとだけメッセージを添えて。

 これで準備は出来ました。


 


 外側に使っているナチュラル色の革は本鞣しという革を使っています。

 サドルレザーとはまた違った風合いになるでしょう。

 金具はMOCOさんが好きな真鍮を使います。


 


 中の工具が濡れず、尚且つ簡単に取り出せる。

 迷いと妄想、そして時間を掛けたディスカッションから生まれた 『手探りのTOOLBOX』

 黒とナチュラルの配分もこのぐらいにしておくのがいいと思います。


 


 先日のOLDTIMESにて仮合わせ。


 もうホントここしかつける所ない。

 それにしてもこのチョッパーは美しい。

 足し算と引き算、割り算のバランス。

 さすが零の岡崎三号機。


 


 後日取り付け写真を頂きました。

 うん!いい感じ!!

 これが塩ビ管だって事が変態のMOCOさんにはたまらないことでしょうねww


 


 ちなみに回転したり、お辞儀してしまわないようにどうやって取り付けているかはここでは秘密にしておきます。

 どこかでお会いしたら気になる人はご本人から聞いて下さいな♪


 いつも思う事だけど、物作りの完成はここじゃないと思っている。

 ここに工具を詰め込んで(入れるのかな??)、走り込んで、そこでまた様子を見て修正して、また走り出す。

 そうしている内にいつの間にかMOKOさんの中で完成形になって行くと。

 いつでも面倒見ますので遠慮なく使ってみてください。


 


 
 早く工具積んで走りたかっただろうに、ずっと待たせてしまって本当にスイマセン。

 それでも信じてくれてありがとうございます!

 道端で工具を出す事は出来るならない方がいい。

 でもこの中に少しの安心と気持ちの余裕を放り込んで走っている空はまた違って見えるはず。

 白い雲がより優しく力強く見えるかもですね♪


 また一緒に走りましょう!!


 




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2019年01月27日

9年目のREMAKE~F.T.G~

 最近特に肌寒い日が続きますね。

 ここ関東では雪さえ降ってませんが、震えながらバイクに乗っています。

 でも寒いと悪いことばかりでも無くて、空気が凛としてここ川崎でも星が綺麗に見えます。

 この前の十六夜の満月の日。

 月の中にハッキリとウサギが見えた。

 餅を捏ねている大きな一匹のウサギ。

 一体あれは誰だったんだろう♡





 今回は久しぶりにバッグ話。

 どこから話して行けばいいのかわからない位物語が詰まっている。

 もちろん中で使っているのは本物のGUCCIの革。

 セカンドバッグをバラバラに解体して面白そうなところだけ使いました。


 


 そして9年前に作ったのがこのショルダーバッグ。

 写真は今回REMAKEの為にお預かりした物で経年変化によって飴色になっています。

 もちろんしばらく使っていなかった期間があったにしてもサドルレザーの肌色からここまで変化しているって言うのは作った者としては嬉しい限りです。


 


 時はさかのぼって9年前の2010年。

 場所は南相馬のシーサイドパーク。

 ここで行われた第一回シーサイドサンミーティング。

 自分もまだ出店を始めて数年の頃でいわば駆け出しの頃になります。

 内藤さんのアーリーシャベルと二台で走って来た。


 


 こうして完全に地べたで大地の感触を確かめながら坐っていました。

 ガソリンランタンの強くて優しい灯りに包まれていた。

 出店の初めは自分のSUGAR工房と軍物屋さんと黒船堂さんの3店舗。

 後は常設の屋台がチラホラとあるだけ。

 黒船堂さんは今でこそシガーバーとして人気ですが、この頃は純粋に上質な葉巻を販売する物販のお店でした。

 来場者は100人ちょっと・・

 あまりの人の少なさに軍物屋さんは帰ってしまいました・・

 すると残されたのはウチラの2店舗。

 葉巻か地べたか・・・

 何と言うマニアックな選択肢の少なさでしょうww

 ある意味の伝説の出店でした。


 


 そんな夜を過ごして次の日の朝。

 本多夫婦がしゃがみ込んでくれてこのショルダーバッグを購入してくれました。

 小さくて可愛らしい奥さんとガッチリとして少し無口な旦那さん。


 『こんなGUCCIが有ったら面白いだろうな』

 そうして作ったバッグのギリギリ感を共感してくれて心から嬉しかったのを今でも覚えています。

 それにしても良く似合っていましたね♪


 


 のちに自分は縁あってJUPIA CAMPに出店するようになってWBの皆さんと少しづつ仲良くなって来た時。

 この時の本多夫婦もWBのメンバーで再会する事になります。

そして今回奥さんから旦那さんの義行さんにバッグが渡って、メディスンバッグへと改造する事になりました。

 こんな仕事をさせてもらえるなんて本当に幸せな事です。


 


 こうして完成したのがこのバッグ。

 最初はショルダーのベルトを短く加工すればいいと思っていたのに、結果こんなアレンジを加えました。


 


 9年も大切にしてくれたのに、普通に加工するだけじゃつまらないですもんね♪

 もともとGUCCIのバッグとしてはあり得ない雰囲気。

 それをさらに逆方向に向けてみました。


 


 鹿革を少し幅広めに切って行き、それを四つ編みでループ状にして行きます。

 これだけでも一気にネイティブ感が増します。

 そこに蝦夷鹿の角をカットして表情を付けた物をあえて合わせます。

 この表情の付け方にも物語が詰まっています。


 


 その先には自家製のカラカラを吊るしてあります。

 風に吹かれて、歩いて揺れてカラカラ・・・♪

 素朴だけど良い音が鳴るんです。


 


 このカラカラの音にはいろんな縁とロマンが詰まっている。

 今の自分の精一杯の物作りの気持ちと感謝の気持ち。


 


 それが不思議とこのGUCCIの柄にしっくり来てしまう。

 メイドインITALYがネイティブアメリカンになって見える気がします。

 絶対に合わないであろう逆方向にどこまでも進むと不思議とマッチングしていきます。

 だから色んな意味も込めて 『F.T.G』


 


 このバッグは型押し成型で作っています。

 木型をオスとメスと両方作って水分を含ませた革をプレスして固めています。

 大量生産でもしている所でもなかなか見ないやり方かも知れません。


 


 本日福島県に発送させて頂きました。

 これからも愛用して下さると嬉しく思います。

 ちなみにこの本多兄弟もWB49のメンバーで二人ともロングフォーク乗り。

 弟の隆彦さんは賑やかでテンションが高く、お兄さんの義行さんは寡黙でクールな男。

 でもたまらなく優しくて大きな男なのを知っています。

 
 この小さいバッグを腰からぶら下げて夫婦で再会できる日を楽しみにしています。

 ありがとうございました!!



 PS

 同じ灯りのこの場所が好きだ。


 


 夜に極上の酒を口に含みながら黒か白かわかりずらいこのオセロをするのは心地良い。


 


 


 噂によると最近伝説のあの人が来たらしいですよ・・・





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2018年08月10日

小さな二匹の足音を追いかけて

  
 あれは5月の事だったと思う。

 久しぶりの森さんからの着信。

 とても元気のない声だった。


 『実はCOCOが亡くなりまして、昨日ROCOも後を追う様に亡くなりました。』


 返す言葉が見つからなかった。

 そして、お願いがあると言う。

 『ヤバスタ工房を紹介して欲しい。そしてSUGAR工房とヤバスタ工房にどうしても作って欲しい物があります。』


 



 そうして出来たのが写真の物。

 何年もずっと闘病生活だったCOCOとROCO。

 やっと東京を眺めながら故郷の海に帰って来たね。

 いつも森さんと3人で散歩した思い出の南相馬の海岸へ。


 


 可愛い顔している二匹の白い犬。

 左のちょっと大きい方がお兄ちゃんのCOCOで、右が弟のROCO。

 二匹の思い出を詰め込んだ物を毎日身に着けていたいと。

 
 少し自分の中で整理をしてからヤバスタの祐一に電話した。

 もちろん二つ返事。

 『やるしかね~だろ!!!』


 


 6月のある日。


 森さんが辻堂にやって来た。

 




  作戦決行の日。

 作戦と言うほどじゃなくシンプル。

 ある程度イメージしておいて、後は話を聞きながらその場で朝まで掛かっても作って手渡す。

 ウチラはシンプルなのか?バカなのか?

 手先はちょっと器用だけど、やり方は不器用なのかも知れない。

 でもこれがウチラの考える最高だし、言ってしまえばこれしか出来ない。

 初めて会うヤバスタの祐一、レイサちゃん、シンヤ君の3人と福島から来た森さん。

 打ち解けるのに不思議な位時間は掛らなかった。

 まるでもう数年前からの知り合いのような懐かしさすらあった。





 森さんの腕には自分が数年間に作らせてもらったブレスレットがしっかり巻かれていた。

 この中にはCOCOとROCOの乳歯が埋め込まれている。

 『On Your Side』

 いつもお前たちと一緒にいる。

 どれだけ森さんがこの二匹を思っていたかなんて説明するまでもない。


 


 夜から始めてとっくにお店の閉店時間過ぎても関係なかった。

 自分は二匹の歯と毛を包み込む革物。

 
 


 祐一は遺骨の入った二つのペンダントトップを使ったシルバー加工。

 考える事じゃない。

 感じた事を形にできるかって事。


 俺達電話で話して誓ってた事があったんだ。

 『今までずっと物を作り続けて来たのは、いつかのこんな時の為なんじゃなかって。こんな時に力になれるの為の作り人でありたい。』


 


 この夜の事を詳しく書くと書ききれない。

 常にみんなで号泣をこらえながら常に泣いていた。

 切なさを抑えながら思い出話を嬉しそうに話す森さん。

 ずっと革を編み込む自分。

 必死にシルバーと向き合う祐一。

 泣きながら歯を毛で包んでいるレイサちゃん。

 そんな姿を気を使いながら写真を撮り続けるシンヤ君。

 みんなやっている事は違いながらもみんなでCOCOとROCOの事だけを考えた。

 みんなで思いっ切り気持ち寄せ集めて、二匹と森さんを想った。

 信じられない不思議な事もたくさん重なった夜。


 


 『物作りは想いや気持ちじゃない。物作りは金だとしっかり言える奴こそが本当のプロであり、一流だ。』

 そう聞いた事がある。

 少しだけ意味はわかる。

 でも、だったら俺たちはずっと二流で良いとすら思える。

 物作りには想いと気持ち大事だよ。

 それを叶える為に日々腕を磨けばいい。

 『そりゃ~金持ちになれないわけだわ!!』 って俺たちはいつも笑って話してる。


 


 自分が手渡せたのは2時前位だったかな。

 みんなで夢中だったので良く覚えていない。


 


 


 特殊な塗料を使って擦れさせながらCOCOとROCOの毛並みを描いた。

 慣れない作業ながらも真鍮を削り出して作ったプレート。

 それを繋ぐチェーンは首輪に使っていた物。

 受け取った森さんも泣いてくれて、そして自分も泣いた。


 


 中には二匹の犬歯を毛で包み込んで元々使っていたお守り袋に包んで封じ込めてあります。

 布と革なのでいつか中の毛は風化して形を変えて行くだろう。

 でもそれも大事な事。

 真鍮のプレートには 『アリガトウ』

 なぜカタカナなのかはわかる人にはわかるだろう。

 鹿紐の下にぶら下がる4本の真鍮パイプ。

 それに意味がある。


 


 泣きながら包んで、話しながらCOCOとROCOの膨大な写真と寄り添ってくれたレイサちゃん。

 おかげでこんな物が作る事が出来たよ。

 ありがとう!


 


 祐一のペンダントトップの加工が終わり、そこにレイサちゃんがレジンを流し込んで固める。

 それが3時過ぎだったような気がする。

 不思議とあの早寝早起きの森さんでさえ眠くなる事は無かった。


 




 それから急いでみんなで閉店間際の居酒屋に駆け込んだのが4時前。

 今までの時間を取り戻すかのようにビールを流し込んだ。

 短い時間だったけど最高の時間と酒だったことは言うまでもない。


 



 やり切った満足感に満たされた。

 みんなで乾杯も出来た。

 でも嬉しかったのはそれだけじゃない。

 こうして森さんの嬉しそうな笑顔を見れている事だ。

 今回、祐一、自分、森さん、レイサちゃん、シンヤ君。

 その誰一人欠けていても出来なかった事。

 みんなで作った物。


 



 



 最後はやっぱりお決まりの号泣。

 朝の駅前で大のオッサンで恥ずかしくもなく泣いた。


 



 本当に夜からぶっ通しで作り続けて完全なる徹夜で始発に向かう。

 確かにこの時は眠くてボロボロだったけど、こんなに気持ちの良い朝はない。

 
 



 祐一が作ったペンダント。

 この位置、傾き。

 そしてレジンで封じ込める前の森さんの涙の指紋の跡。

 これは世界中探してもお前にしか作れない。

 
 



 そう。ここは3人でいつも散歩して遊んだ場所。

 懐かしい匂い。

 耳を澄ませば波の音に紛れて吐息が聞こえて来そうだ。


 



 真鍮の4本のパイプの重なる微かな音は二匹の足音。

 コンクリートの堤防を走る爪の音。

 

 走ってるかい?



 遊んでるかい?



 良く頑張ったね。


 幸せだったんだなお前ら♪



 



 風もない車の車内でどうしても森さんの方を向いてくるのはなぜだろう。

 見守ってくれているのかな?

 まだ甘えてるのかな?



 



 最後にこのブログを愛犬であるCOCOとROCOの魂に捧げる。


 ありがとう!COCO、ROCO。

 そして作らせて頂いた森さんありがとうございました!

 続きはまた近々辻堂で…




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2018年06月27日

想い結うピリオンシート

 あれは確か去年の秋口の事だったと思う。

 
 『シュガー!このシート直せないか?』

 ジョニーさんからそう言われて一つの小さいシートを手渡された。


 


 それがコレ。

 おそらく50年代位の物と思われるvintageのbatesのピリオンシート。

 表の革はだいぶヤレてひびも入り、所々穴も空いていた。

 興味のない人や価値観が違う人にはただのボロボロのシートに見えるだろう。

 でも俺たちはコレはコレで醸し出すオーラみたいな物にとてつもなく魅力を感じれる。

 ここまでの経緯や物語をロマンチックとさえ思える。


 そしてジョニーさんが本当に直したいのはこの革の事ではなく、中のスポンジの話。

 むしろ表側はこのままでリアフェンダーのリブが当たっても痛くない様に中身を作り直して欲しいと。


 


 正直、サドルシートなどいくつかのシートは製作した事はあっても、本格的なスポンジ成型やリペアまではやった事が無かった。

 でも断る理由なんてどこにも無かった。

 革のダメージもあるvintageにプレッシャーはある。

 それよりこの大事なシートを自分に託してくれた事が何よりも嬉しかった。

 考えられることを出来るだけやってみようと思う。


 先ずはバラさないと何も始まらない。

 ステッチを慎重に解いて行き中身のスポンジを取り出す。

 ここで散々スポンジの硬さや形状などを頭に型押しして数か月フリーズ。

 『これより硬く、尚且つ痛くない柔らかさ。』

 ずっとその事を考えて、色んな物を触って、成型の仕方を想像する日々。


 


 ベースは極厚のベンズレザー(栃木レザー)で作り直す。

 現物を宛がって目打ちをして穴を整えて行った。

 ちなみにベンズレザーは良くベルトなどに加工され、5~6ミリほど厚みを持つ。


 


 先ずはステッチがほつれている四隅をナイロン糸で補強。

 一番負担が掛かっている部分なので念入りに。


 


 スポンジ成型。

 色んなスポンジを触り比べてやっと決まったスポンジ選び。

 実はこの時間と妄想に一番時間が掛ってしまいましたm(__)m

 最終的に2層構造に決めて下はかなり固めで、上は普通の高反発のウレタン。


 外したスポンジを採寸して昇降盤で切れる為の治具を作った。

 自分の考えでは真っ直ぐなラインを出すのには回転する鋸刃が一番綺麗だと。

 木やプラスチックとは違う抵抗がある為に少しずつ形を作って行った。


 


 大体の形が出来たスポンジ。

 その後フェンダーのRに合わせて下をえぐって、サンダーで仕上げて完成。

 座ると柔らかめで、沈みこむと固めのいいシートになりそう♪


 


 革の裏には薄い革を充てて全体を補強した。

 これで穴も埋められるし、これ以上広がる事も最小限に抑えられます。


 


 これで心置きなく上下を縫い合わす事が出来ます。

 縫い目が裂けないように慎重に、一針一針縫い締めて行く。

 糸が糸を結う様に、想いも一緒に結って行く。

 少しづつ革にテンションが掛かり程よく張ってくれていた。


 


 縫った後は出来る限りコバを磨き上げてコーティングをする。


 


 


 同時に表面の革には何度もオイルを摺り込んでいたので、表情も質感もかなり落ち着いて来たと思います。

 完全に穴が空いていた所も裏のあて革と張り合わせる事で、遠慮なく使って行けるはず。


 


 この写真を撮る為だけにネジも新品を加工してしまいました。

 完成したら妙に愛着が湧いてしまい、しばらくコイツで晩酌したっけなww


 たかがシート。

 ましてはピリオンシート。

 でもされどピリオンシートなのです。

 ここにはこれからも走り続けるためのバイク乗りの愛や覚悟が詰まっている。

 走り続けるって簡単じゃない。

 ましてはハードコアに走り続ける事の意味。


 


 その人の大事にしている物や、物語に携われる事。

 それはこの仕事をしていて幸せだと思わせてくれる瞬間。

 そんな感謝はもちろん、いろんな想いを込めて裏に少しだけ言葉を刻ませてもらいました。


 


 そしてこの日曜日に小岩へ。

 こうして手渡して喜んでくれるジョニーさんの顔を見れただけで作らせてもらえて良かったと心から感じます。

 その度にまた自分は太ってしまうのかな?ww

 

 


 仮付けて座った感触も最高のようです。


 


 あえてのこのセットアップも斬新で良いですね♪


 とても時間が掛ってしまって申し訳ありませんでした。

 何より作らせてもらえて

 信じて待っていてくれて

 新しい経験をさせてもらえて

 そして最後の優しすぎる男気も

 ありがとうございました!!


 今度このセットアップで一緒にステーキRUNしましょう♪



 PS

 そんな週末の夕焼けも凄かった。

 夕焼けの天の川。

 泡の様に動く幻想的な雲同士のRendezvous。


 


 





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2018年04月01日

荒野のオセロ。

 またなかなかブログが書けないまま4月に入ってしまいました。

 とうとう出店シーズン。

 SUGAR工房の一発目は4月14日、15日に行われます秩父ミーティングになります。

 去年の最後の出店がバイブズ苗場だったので、約半年ぶりになりますね。

 その間はオーダーの物を作って納品していたりがメインでしたが、ずっとこの春に向けて準備を進めて来ました。

 その準備って言うのは商品のバングルウォッチなどをずっと作る事だけではなく、頭の中で妄想する事が多かったような気がします。

 自分のバイクがあってランタンの優しい灯りがある。

 そこにどんな人がしゃがみ込んでくれて、そこにどんな風が吹いているか?

 そこで自分が何をするべきか?

 どんな世界観を演出して楽しませるか?

 そう思うと頭の中の妄想は一気に革、木、アルミなど素材の枠を超えていろんなヒントで爆発する。

 寝る間も惜しいほど物を作りたくなる。

 今日のブログの物はまさにそんな物なんです。


 


 何をしている写真なのかわかりますか?

 良く見ればオセロ。

 毎日2時間ずつ作業をして1か月丸々かけて作りました。

 
 え?なぜ?

 そんなにオセロ好きなの?


 まぁ好きって言えば好きだけどそれを説明するのはとても難しい。

 この写真の雰囲気が全て語ってくれているような気がする。

 蛍光灯やLEDでは出す事が出来ない身の丈に合った明るさ。

 吊るされたドライフラワーとほのかに香る香草。

 一見馬鹿げて思える理想や夢を、真剣にふざけて語る。

この包み込む全ての雰囲気。

それがせっかくバイク出店するなら大事な事だと思っている。

 



もともとは白のミラミン板。

メラニン板は熱に強く焦げにくい。

その性質を逆手に取れば良い。

一本一本V溝を入れて行くと何となくオセロの盤みたいになるんじゃないかな?

そう思った時から手が止められない。

そんな病気なんですww





裏を少しずつくり抜いていく。

ここに駒が入るんじゃない?

ってお思いでしょうが、全く入りません笑

軽量化と秘密の仕込みの為です。

普通でも過積載なのに余計なモン作って持って行くのだからこの軽量化ですら大事なのです。





周りの直線を消して、染めていく。

その後はひたすらヤスリがけ。

長年使っていたとしたら何処から削れてすり減って行くかを想像しながら少しずつ微調整。

デニムのエイジング加工みたいな物ですね。

その後焼いて磨き上げて行くとこうなります。

荒野のオセロ。

キャンドルの灯りの中のオセロ。

メラミン樹脂がいい感じに変化しています。





接合は蝶番じゃなくてアルミを圧入した穴にダボを通して固定します。

昔々に木でオセロを作った人が居たとして、ずっと気性の荒い奴らが酒飲みながら勝負していたらこんな表情になっているかも知れませんね♪





そしてもう一つ大事なのは、駒。

もちろんここで普通の駒を使ったら台無し。

香りの良いヒノキを探して来てひたすら切る。

ご存知の様に最低64個の駒が必要。

そしてどうせ自分の性格上無くすから、80個仕込む事にしました。

切った駒を片面黒で染めて、それから1つずつグラインダーで表情付けて行きます。

来る日も来る日もひたすら。

どんなに焦っても焼いてから煤を取り、一つずつ木目を追いかけて筋の中をワイヤーで削っていきます。

この工程を見た人が必ずと言って良いほど言われた事。

『え⁈ まだやってるの⁈』

まぁアホですよホント。





そうして出来た駒の顔。

1つずつ違う顔。

手触りもしっくり来てたまらない。





そうなんです。

自分が作りたいのはオセロの形の浪漫。

特にオセロをする事に拘ってもいない。

バイクが横にあり、地べたに座り、商品に紛れてそこにオセロがあるって事が良い。

空は雲の隙間から月が覗き、心地良い風が吹く。

そこに人がしゃがみ込んで、物語が始まる。

生き物の様な灯りに照らされた顔って優しいはず。

自分は物作りの人。

物作りは人を楽しませる為にある。

このオセロはそんな役者の小道具になってくれれば嬉しい。

格好いい事書いているようだけど、自己満と言われれば完全に自己満です。

今月の秩父の丘の上で会いましょう♪


PS

川崎の桜も満開をちょっと超えて来たかな♪








一年に一度だけ咲く桜も浪漫ありますね。

一体どんな気持ちなんだろう♪








秩父の桜も楽しみだな♪


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2017年12月23日

復活&改造チャップスお待たせしました。

 最近の出来事。

 ずっとブログ上では福島走っていたので色々ありすぎて何から書いて行こうかな。

 色んな所行ったし、色んな物も見たよ♪

 毎日空も見上げてた。

 さすがに渋谷の街の灯りの中ではほとんど星が見えなかったな。

 でも一つだけ煌々と輝く星が眩しかった。

 今日は先日納品して来たチャップスの面白い物語をして行きます。


 


 ローライズ加工したバンソンのチャップス。

 実は色々訳あって預かったのは2本のバンソンチャップス。

 バラしてニコイチで完成させました。

 その色々あった訳って言うのがまた面白い。、


 


 時は約一年前。

 辻堂海浜公園でワーゲンのイベントの時だった。

 
 
 

 今回の主人公小山さん。

 この時も家族で来てたっけかな♪

 自分が以前このブログでチャップスをローライズに加工して納品した話を読んでいてくれて、事前にメールなどで連絡は取っていた。

 しかし、この日に持ってきたのはジップが吹き飛びボロボロに擦れたチャップスとライダースだった。

 びっくりして訳を聞くと今朝箱根の峠をマッハで走りに行ってスリップして転んだらしい。

 今朝って・・・ね・・・

 とりあえず事情はわかり、マッハもボロボロらしいけど体は大丈夫だったみたいで安心しました。

 本当に革を身にまとっていて良かったですね♪

 
 


 実際にはジップまで壊れているチャップスは本当にダメージが大き過ぎて修復はかなり大変でした。

 そこでもう一本送られて来たバンソンの同サイズのチャップス。

 どうせならその直さないチャップスをバラシてベルト部分をそっくり作ってしまいましょう!


 


 これがその残骸。

 とても肉厚で加工しづらかったけど素晴らしい革質でした。

 思い出はまた違う形となって生き続ける。

 なんかこうゆうのって大好きなんだよな~。


 


 


 バックルも丸みのある真鍮の物に変えて一から作り直しました。

 長さはローライズ仕様なので長めに作ります。


 


 留めは糸で共に縫い込むと一緒にカシメで補強しておきました。

 これで安心して思いっ切り使えますね。


 


 その他の腰回りの部分もバラした革使って作りました。

 本来バンソンのチャップスってこの辺りが角ばっているのですが出来るだけ丸く柔らかく。


 


 


 後ろのツナギも敢えて作る事にして、そのロープもチャップスから作り出しました。

 これでまず伸びないと思います♪


 


 チャップスを履いた事ある人なら必要性がわかるはず。

 ウォレットロープなどを繋ぐベルトを付けておきました。


 


 そして先日ヤバスタ工房を納品場所とさせてもらって久々に再会しました。

 と言うのも小山さんが辻堂に住んでおり、ここヤバスタの存在も知っていて気になっていたらしいです。

 祐一が怖くて入れなかったのかな?笑

 みんなでワイワイ楽しかったな♪

 場所貸してくれてありがとな!!


 


 


 早速履いてみる。

 それを祐一と二人で写真を撮る。

 坊主がずっとパンダのぬいぐるみを抱いていた。

 お前最高に可愛いな♪

 小山さんのチャップス姿はイマイチうまく撮れなかったけど、写真としては最高だな!!


 


 サイズ感はバッチリのようです。

 ただし写真が見切れてしまって申し訳ありませんm(__)m

 ローライズにした分長さの調整少し必要ですね♪


 


 同時に小山さんをイメージして作った鹿の守り神も手渡せました。

 中の球にはスペシャルな言葉彫り込んでありますからね。


 


 バタバタしていてあんまりゆっくり話せなかったけど最後にこんな素敵な写真が撮れました。

 またヤバスタにもゆっくり遊びに行ってあげて下さいな♪

 何かあればいつでも対応しますのでいつでも言ってください。


 自分を信じて待っていてくれる人がいる事。

 それはいい意味でプレッシャーとしてのしかかり、成長する糧となる。

 そして何よりその幸せは作り人にとって生きる原動源となる。


 ありがとうございました!!


 PS

 先日仕事で伊勢神宮で見た空の色。

 神聖な空気の中で本当に空からの温かいメッセージのようだった。


 


 


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2017年11月12日

MOKOのメディスンバッグ

 やっとバイブズの報告も終わり、次は福島ラバーズの話を書きたい所でもあるのですが他にも紹介したい物がたくさんあります。

 たまにはSUGAR工房という工房らしく作った物の物語を・・・





 メヂィスンバッグ。

どの位ぶりに作っただろう。

ネイビーと焦げ茶のオイルレザーを組み合わせて一周パイピングで巻き込んで作りました。

柔らかくて使いやすいバッグ。

中に入れる物の最小限の大きさでインパクトがあって飽きずに使えるバッグ。

なかなか難しい。

でもこれをを頼んでくれたオーナーである森さんの要望は明確で全くそんな事を言っていない。



『ぜ〜〜んぶお任せ♪』

いつもそれだけww

さすが東北の丸投げ王!!!

ラクなのか大変なのか…

もうかなり前の話になってしまいましたが、9月のジュピアキャンプの時にやっと手渡せました。

なぜネイビーの革を使ったか?

それは自分から森さんへの新しく楽しい提案です♪





まずはコレ。

森さんが以前使っていたスマホケースとメディスンバッグの分解から始まる。

最初は機種変更して大きくなってしまったスマホに対応するスマホケースとタバコとジッポが入るケースの2つを作るはずだった。

その中に今まで使っていたスピリットを何とか擦りこみたい。

でも時は経ち、空前のブームに乗ってタバコはIQOSに変わり、また一から練り直し。





バラしていったパーツ。

それを見ながらしばらく妄想の日々。

バッグ自体には結局大型のスマホ、ガラケー、IQOSのタバコと本体を入れる事になった。


『だったら全部1つに入るメディスンバッグ作りません⁇笑』

送られて来た懐中時計も何とかしましょう♪





自分はタバコはやるけどIQOSは持っていない。

ピッタリするもの作る為にはIQOS自体が必要だった。

なので持っている人の寸法を測ってアクリルのIQOSを作る事から始まる。








するとふっくらと裏縫いしたポケットにこうしてバッチリ収まる。

中身は焦げ茶の革。

適度な厚みでしなやかな革。





迷った懐中時計も何とか居場所を見つけたようだ。





裏にはサプライズで引き継いだスピリットを。

革の色は本体に合わせて焦げ茶に染めておきました。





中に組み込まれているのは実はサメの革。

一度脱色して焦げ茶に染めてから隙間に黒を落としました。

これは最初から決めていた事。

サメは凶暴のイメージが植え付けていますが、実はとっても優しくて頼もしいと言われている。

優しくて頼もしい。

まさに森さんの事だ。

引き継いだ古銭コンチョ。

真ん中に大きい物と両脇には小さい古銭を2つ。

写真にはないが実は裏にそれぞれ名前が彫ってある。

小さい2つがCOCOとROCO。

森さんの愛犬。

真ん中がMOKO。

じゃあMOKOって誰よ⁈



ハイ♪ MOKOさんです。

最近自分も人の事言えないけどモコモコしているでしょ?笑

COCOとROCOとMOKO。

いつまでも一緒にいられます様に♪





そして先日の福島ラバーズの3日目。

少しの間でしたがやっと2人で走れました。

腰にはこのメディスンがぶら下がり、良い顔していましたね♪

壊れてもいつでも直してやすく作ってあるのでどうぞ遠慮なく使い倒して下さい♪

いつも信じて待っていてくれてありがとうございます!

そして今回も作らせて頂きありがとうございました!



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2017年08月05日

ウォレットバッグ物語

 8月5日

 最近涼しい日や不安定な気候が続いていますが、今日は大丈夫かな?

 走って、食べて話して飲む一日。

 今日は最高のRUNが出来そうです♪


 


 約4年半前に納品させて頂いたウォレット。

 いや、もはやウォレットというよりもバッグですね。


 


 大切な仲間の奥さんからのオーダーで当時の頭散々絞り出して作った物。

 それをずっと使っていて下さっていて今回メンテナンスと補修させて頂きました。


 当時の想いを書きなぐったブログ↓

 http://sugarkoubou.hama1.jp/e1004100.html
 
 『50’s風ウオレットバッグ』 2013,1,23


 


 これはメンテナンス前。

 染めた赤は少し色褪せて薄くなってしまっています。

 この4年前と今では使う染料もコーティング方法も少し違います。

 
 


 コバももう一度磨いてコーティングしておきます。

 本当にこうして見ていると、ずっと長く愛用して頂いている事が嬉しい。


 


 


 つりさげる部分の革も新たに作り直しました。

 『丈夫である事』 と 『壊れにくい』 はちょっと違う。

 『壊れにくい』 と 『直しやすい』 ももちろん違う。

 物を作る時に 『格好いい物』 や 『その人が喜ぶ物』 を考える。

 これは当然の事。

 そこから何を選ぶのかはその人と自分との距離感も大事になる。

 今回は一番縫い込んだのは 『直しやすい』 と事による安心感。

 だからあえてDカンをこの使い方でも大丈夫です。



 


 自分が考えて作った物が、もちろんその人からのオーダーやその人の事を考えて作っていたとしても、毎日のLIFEの中に溶け込み大切にガンガン使ってくれているという事。

 いつも思っている事で 『自分達は究極の未完成品を作る事』

 それはこうしたメンテナンスや補修もありながらも、その持ち主が完成品と勝手にして行くと思っています。

 だからいつも使っていたいと思ってもらえるように、腕を磨き柔らかくでしっかりした感性を持っていたい。

 まだまだやりたい事ややらなければいけない事がある。

 だから物作りって最高なんだなと思う。


 KIYOMIさんあらためてありがとうございました!!

 もちろん自分が手が動く限りイツマデモ保証期間ですからね☆ 



 
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2017年07月26日

いつまでも埼玉の地で

 気が付けば7月も終盤に掛って来ました。

 ちょっと焦る気持ちもありますがこの夏もいろんな事をして行きたいと思います。

 その前にシャベルのキャブのセッティングに詰めてコンペンセーター直しておかないとです♪


 今日は久々にこんな加工の話。

 
 


 少し前の話になりますがアディクションズから依頼されたドッグタグのレザーキーホルダー加工。

 限られた文字数の中から、配置と打ち込む言葉を決める。

 だからそれは濃縮された物語が詰まっていると思う。

 シンペーさんにその方の事を少し聞いて少しの工夫を考える。

 そこに打ち込まれていた 『I LOVE SAITAMA』 の言葉にグッと来ました。


 


 白のステッチに囲まれた中には 『SAINOKUNI』

 埼玉県民なら知らない人はいない位有名な言葉 『彩の国 埼玉』

 自分も現在川崎に住んで居ますが小学5年生からずっと実家は埼玉県。

 ほとんどの青春は彩の国埼玉で味わいました。

 『彩の国』 ってとても素敵な言葉だと思う。

 『いろどりに溢れた土地』 っていう誇り。

 そこに沖縄のアディクションズからの依頼という事でワンポイントを。

 それは沖縄に古くから伝わる 『いつの世にも』 の一部。

 いつまでも埼玉を誇りに思い、根を張って生きて行こう♪


 作らせて頂きありがとうございました!!



 それともう一つの感謝。

 先日高円寺で行われたBAKIさんのバンドであるモスキートスパイラルのLIVEに行ってきました!


 


 


 


 みんなで超絶盛り上がりました!

 本当に魂震えました。

 モスキートのBAKIさんもまた違う格好良さで最高のLIVEでした。

 皆さん心からありがとうございます!


 


 最後はみんなで終電乗り遅れるというオチwww




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2016年12月29日

復興の光をありがとう!

 年の瀬ですね。
 今年の仕事納めは終わりましたか?
 そんな今日は大事なアイツとの忘年会だ。
 楽しみでならないな♪
 このブログを書いたら茅ケ崎まで行って来よう!!


 今回は地元福島で復興作業に従事している森さんよりこんなオーダーを受けました。


 『北海道から手伝いに来てくれている大切な仲間がそろそろ帰ってしまうので、感謝の気持ちを贈りたい。』


 それを自分に頼んでくれるありがたさ。
 そりゃSUGAR工房としてやるしかないでしょ!!

 
 


 森さんからの提案で福島県の形をしたキーホルダー。(後は丸投げ?)

 何かの鍵でも着けれて、トラックのバックミラーにでもぶら下げられるようにしました。
 鹿紐の長さはガラスビーズで調整できます。


 

 大きさは約8センチ×5センチ位。
 この大きさは自分の中ではかなり重要でした。
 製作上の事もありますが、ある程度ちゃんとした福島県を表現するには小さすぎては安っぽくなるし、大き過ぎてはミラーにぶら下げた時に邪魔になる。

 その中でも福島県の新地の部分。
 窪んだコバをなかなか綺麗に磨くことが出来なくて、最終的に木を削り出して形を合わせた棒を作って当てました。

 通称 『新地棒』 笑


 


 まずは福島県の形で塩ビ版を切って形を整えて、厚さ3ミリのヌメ革を切って張り合わせ。
 それから少しずつ切りながら形を整えて革を染めてコーティング。
 コバを磨いて縫い合わせるラインを引くと少し明るい色が出てくる。
 この色合いになる為には染め方重要なんです。

 どうしてこの色合いになったかはその人へのそれぞれの物語が存在する。

 あっ!そろそろ時間だ(;´・ω・)
 その物語は移動中の電車の中で書いてみよう♪





先ずは青のクラシゲさん。
体格も良くて短髪。
見た目は良い人で話すとやっぱり良い人。

ここギャップ欲しい所ですね(笑)

いつも明るくて人を楽しませるのが大好きな男。

そんなクラシゲさんには海の様な優しさと力強さで青。
水色のステッチは福島の波と魚達の足跡。


Thank you for sunniness.

希望の光をありがとう。


右の相馬の位置から福島県全体を照らす太陽が上がる。
この光は間違いなく毎日復興作業に汗を流した2人が光らせてくれた希望の光。





裏には名前と福島の言葉を彫らせてもらいました。
福島県での自分への誇りと思って下さい♪





一方、クニオカさんは落ち着いた赤系。

少し色の入ったメガネのせいか見た目は怖いけど話すととても良い人。
このギャップが良いんです(笑)

大体仕事中は赤か黄色のツナギを着ている事が多いクニオカさん。

そんな毎日を忘れない様に赤系の革に黄色系のステッチ。
あんま真っ赤や真っ黄色にしないのはクラシゲさんの青とトーンを合わせたかった。

相馬からのサンライズ。
いつもありがとう!!!





同じく裏には名前と思い出の福島。





コバの厚みは6ミリで特別なコーティングをしてます。
遠慮なく乱暴に使って下さい♪

この厚みを福島県の形に切るのは正直心折れそうでした(笑)






こんな素敵な写真頂きました!!!
とても喜んでくれた様です!!!

写真見て思ったのは…

うん!イメージ通り!!!爆笑
最高!!!!!!


こんな素敵な仕事をさせてもらって2人の笑顔を見れたのも、このオーダーを頼んでくれた森さんの優しい気持ちのおかげ。

2人の笑顔を誰よりも喜んでいるのはもちろん自分ではなくて森さんである事は間違いない。

もしかしたらこの笑顔や、2人の存在自体が森さんを初めとするみんなの太陽だったのかも知れない。

きっとそうだね☆


クラシゲさん、クニオカさんいつもご苦労様です。
頑張り過ぎてお身体壊さない様に。

そして森さん。
作らせてもらえてありがとうございます!!!


感謝する気持ちに感謝!!!


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2016年11月26日

お任せスマイル作ってもらったよ♪ Re.ありがとうの日曜日

 今得意のヤバスタ工房。
 しかも大阪からまさかの日帰りでバイクで来たONEちゃんと一緒!
 2度目のみんなでの再会の日。
 
 今日はそんなヤバスタ工房のちょっと頼りないエースの話。
 そいつはシンヤ君!
 
 見た目も話す事もインパクト特大の祐一。
 それを支えるぶっ飛んだ奥さんのレイサちゃん。

 そんな濃い二人の側で修行中のシンヤ君。
 一番屋根の低い場所で小さく丸まって今日もいる。

 祐一曰くシンヤ君の前世は芽ネギらしい(笑)
 自分と祐一を合わせるとシンヤ君5人分位になるんじゃないかというヒョロヒョロ感が面白い奴。


 


 そして、そんなシンヤ君にオーダーしてライターケースを作ってもらいました!
 最近彼が良く作っているライターケースを見て、ピンと来て思わず頼みました。

 『SUGARスペシャルの黒革でお任せで頼む!!』

 言ったのはたったそれだけ(笑)
 
 楽しみでもあり、ちょっと可哀そうでもあり、それがまた楽しみだったりする。
 
 でもね♪
 お任せで頼む!って事はシンヤ君、お前の頭で妄想して浮かんだ物なら喜んでお金を出すって事だ。
 それはその人の持つ技術だけじゃなくて、人として好きだからのこそなんだよ♪

 
 

 
 そうして作ってくれたこのライターケース。
 大地の緑とと明るいオレンジのステッチ。
 レイサちゃんの黄色いスマイル。
 祐一の金の太陽と飛び交う二羽のイーグル。
 もうこれはヤバスタ工房みんなの力が詰まっている宝物だよ♪

 そして何よりそれを一生懸命考えて作ってくれたシンヤ君の作品だ!!

 見事に想像を遥かに裏切って飛び越えられた最高の嬉しさと、ちょっぴり悔しさがいいねface02


 


 コレを考えている時に祐一にこう伝えたらしい。

 『SUGARさんはいつも笑っているイメージしかない。』

 自分で書くのは恥ずかしいけど、その言葉嬉しすぎるよ!!
 ホント嬉しすぎるんだ♪


 


 コバの処理、配色、物語どこから見ても完璧に最高だよ!!
 しいて言うならクサイ話し方がまだまだってとこかな(笑)

 頼んで良かった。
 信じていて良かった。
 アリガトウ。

 心からそう思ったよ♪
 同時に自分にも頼んでくれる人にそう思わせなきゃって、あらためて思わせてもらった。


 


 俺の事いつも笑ってるって言うけど、シンヤ君のこの全開の笑顔に言われたくないな(笑)

 多分オーダーはいくつも作っているだろうけど、『お前に任せる!』 っていうオーダーは自分が一番に頼もうって実はずっと決めていたんだ。
 これからはそんなオーダー増えそうだね♪

 
 


 冒頭でシンヤ君の事を 『ちょっと頼りのないエース』 と書いたけど、本当は違うんだ。

 毎日、毎日技術ももちろん磨いているんだけど、技術だけじゃない 『気持ち』 を教えてくれる人がいる。
 目の前で祐一とレイサちゃんが作り、それを喜んでる人を見ている。
 その喜んでる人を見て、作った本人がその人以上位に感動している姿がある。
 
 だからこんな気持ちの入った物が作れる。
 シンヤ君の書くヤバスタ工房のブログや投稿にもそのあったかさが染みてて大好きだ!!

 お互いに刺激し合って素敵な 『作り人』 になろうな!!!

 頑張れと頑張ろうを精一杯込めてシンヤ君が書いてくれたブログへのアンサーブログの最後に・・・

http://s.ameblo.jp/yabasta0910/entry-12217168035.html

 ありがとう!!!!


 

  PS
 もちろん祐一もレイサちゃんも言うまでもなくありがとう!!
 次は何を頼んでイジめてやるかね?笑

 ONEちゃん。本当に気を付けて帰ってください♪
 もうプチおじいちゃんなんだからねface03
 


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2016年11月10日

いつでも常夏なONEちゃんウォレット 

 バイブズミーティングまだ続いております。
 これでも少し焦ってるんです(笑)
 更新の早いガボさんはもちろんの事、とうとうジョニーさんのブログにも追い越されてしまったこのSUGAR工房ブログ。
 でも今日はどうしても書きたい事があるのです。
 書かなければいけない事があるのです。
 今日は大事な約束の日。
 とうとう大阪のONEちゃんと一緒にヤバスタ工房に行く日。
 そしてコレを更新して目の前で音読する日と決めていたからだ(笑)
 






 今日はこのウォレットの物語。
 いつでも常夏を感じれるウォレット。






 『いつでも常夏ってテーマでお任せでウォレット作って欲しい!!』



 そんな衝撃的な事を言われたのはちょうど一年前の福岡でのバイブズミーティングだった。

 『こんなんで作ってくれるのはSUGARしかおらへんやん♪』

 関西弁のONEちゃんのこのオーダーにはびっくりしたけどとてつもなく嬉しかったのを覚えている。
 バイカーズミーティングに良く行くONEちゃん。
 出店数の多いミーティングでは手縫いのウォレットだけでもたくさんの物を手に取って見ることが出来る。
 そんな中で他にない物と物語がある物が欲しくて自分に頼んでくれる。
 なんて重圧で光栄な事だろう。

  『常夏のイメージ』 としては南国のアロハの感じや、少しひねって沖縄のミンサー織りを取り込むアイデアなどがすぐに頭に浮かんだけど、おそらくどれも求めている物じゃないさそうだ。

 これはしばらくひらめきが形に変わるまでゆっくり待ってみよう♪


 


 そのイメージは突然にやって来たよ♪
 見た目だけじゃない、心で感じる、バイク乗りの常夏が。



 


 それは暑さで遠くの道路から見える蜃気楼のようなうねり。
 真夏の北海道などを走っていると良く見れるその屈折や湯気の様な物。
 そこに写るバイクの後ろ姿を追いかけた事あるかな?
 ずっと追いつくことのないそのバイカー。
 It's a BIKERS HIGH !!

 実は一番常夏の時のハーレーはさほど快適な乗り物ではない。
 でも 『ずっとこのまま茹だる様な夏のままでいてくれ!』 って思いながらアクセルをさらに開けるあの思いと熱風。

 それがONEちゃんに作る自分の 『常夏』 でした。

 
 


 革を探すテーマは 『横のうねり』 『横の動きと躍動感』 でした。
 最初はサメの革の脱色した革を手に入れたのでそれを染めていくつもりでした。

 でも出会ってしまったのです。
 この衝撃的な革に。

 『アンテロープ』 または羚羊の革。
 浅草橋でもとても貴重な革でたまたま丁度の大きさの物に出会ってしまった。
 羚羊とはとても幅の広い括りの言葉で、日本ではカモシカなのがその仲間になる。
 映画もののけ姫ではシシ神様という事になる。

 アンテロープの革の表情と独特のうねりは大海原の海のように見えた。
 大きなうねりと白い小さな波と水しぶき。

 そうなるとどんどん頭の中でイメージが言葉に出来るほど形に変わって行きました。

 それを形にするにはどうしても不可欠な男の協力が必要だった。

 そう!ヤバスタ工房祐一!!


 


 それはこの春の事で祐一が盆栽の手入れにはまっている時でした。
 伝えたい事はたくさんある。
 でも本当はこの男には大した伝えなくても平気なんだ。
 テーマと自分が思うONEちゃんに対する思いを伝えればそれでいい。
 コイツはそれでスイッチが入るこっち側の男だから。

 5月にONEちゃんに 『夜明け前の入道雲』 という時計を手渡した時に話してみたんだったな♪

 http://sugarkoubou.hama1.jp/e1535425.html


 『もし、こうして自分の事を信じてくれるならもう一人の男を信じてくれませんか?』
 『そのウォレットを完成させるにはどうしても必要なコンチョがあって、それを作れるのは祐一しかいない』って。

 ONEちゃんも信じてくれました。
 もう突き進むしかありません!!


 


 サニーの看板。
 SEE THE SUN の言葉。
 ウチラを最終的に結び付けた魔法の言葉。


 


 そしてコンチョを取りに行ってビックリしたよ!
 話と違うのよ!
 指定してた厚みよりもわざと厚く作って笑ってこう言う。

 『シュガーお前が2ミリで厚く作ってくれって言うから、俺はさらに常夏になるように3ミリで作ってやったぜ!!!俺の勝ちだな!!ガハハ!!』

 全く最高な男だよ!!ホント笑

 このコンチョは重く、厚くて、気持ちが熱すぎたよ!!


 


 シルバーを溶かして小さな店が壊れる位ぶっ叩いて、ギュウギュウに固くして文句たれながら何とか切ったらしい(笑)


 


 何度も何度もタガネで叩いて深くして、表面を荒らした真鍮の土台。


 


 そこにONEちゃんのトレードマークであるガチャピンを乗っけて行く。
 魂込めたタガネは羽の一枚一枚に深く刻まれている。
 詳しい内容は
 http://s.ameblo.jp/yabasta0910/entry-12209453896.html
 ヤバスタ工房ブログ

 もちろんONEちゃんはどんなコンチョが出来て二人で大興奮しているのかは知らない。


 ちなみにガチャピンとエネルギーボールの話知っていますか?笑


 


 それが無事に少し斜めを向けて取り付けられました。
 これはONE]ちゃんの太陽!!

 それにしてもコンチョ最高すぎるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!


 


 良く見るとこの太陽の近くだけまだらに茶色の糸がオレンジにしてあります。
 太陽の光届いているかな?


 そしてなぜ太陽なのか?
 このウォレットの本当の常夏の理由はココある。

 植物が光合成が必要な様に人にも太陽からもらえる力は心を眩しく照らすはず。
 どこのミーティングで会っても明るくて人気者のONEちゃん。
 多分そこにいるみんなにとってONEちゃんは太陽のような存在なんだと思う。
 
 それと同時にONEちゃんのすぐ側にも心を照らしてくれる大切で素敵な人がいる。
 だからこのウォレットを見てそれをふと思い返すだけで実はいつでも常夏になれるんだって♪
 本当の常夏は空気でも気温でも海でも蜃気楼でもなくて心がいつも躍っている事だったりして。
 


 


 中身はこう。
 ONEちゃんが入れたい物+少しだけαの容量。
 配置、開き方、強度、厚みいろいろ頭使いました。


 


 


 4か所あるカードポケット部分。
 小口は出来るだけ漉いて厚みを出さない様に。


 


 いくら存在感満点に作ったとしてもこれは財布。
 お金を入れて持ち運ぶための道具に過ぎない。
 完成した時っているのは中身を入れた厚みでそれをポケットに差してバイクに乗った時。
 だから道具の範疇をどう超えないかのギリギリがいい。
 

 


 小銭入れは焦げ茶のジッパータイプ。
 やっぱりコレが使いやすい。
 それと真ん中にもカードを入れるポケット。
 割れちゃ困る大切なカードはここに入れてくださいね♪
 お札入れの他にもう一つ大きな所にはこれから色んな人の名刺やパッチなどの仮のポケットとなるんだろうな~♪
 この作りがいいと思ったのは自分がずっと使っている地獄商会のウォレットのおかげです。
 自分が経験上いいと思う事を使いました。


 


 重力で下に落ちた小銭と干渉しない様にポケットを上にずらして着けてみました。


 


 


 壊れずらい様に作るのも大切だけど、壊れた所を直しやすい様に。
 どこから壊れていくかを最初から決めておく。
 ずっと長く安心して使ってくれたらいい。


 


 


 ウォレットロープも一本の革を縫って作っています。
 これも壊れたり、切れたりする順番を決めてあります。


 


 キーホルダーはこの位のややシンプルがちょうど良い。
 コイツはコイツの役割と立ち位置っていうのが大事。


 


 バイブズの納品前にヤバスタに寄った。
 ONEちゃんに渡す前に手に取って見てもらいたかった。
 物から伝わる息吹は写真では伝わりづらい。


 


 ギャグみたいな老眼鏡かけて笑ってる。


 


 共に作った男としてここに持ってきたのは、言葉では言い表せない自分の祐一に対する感謝と敬意だと思っている。


 


 自分もその眼鏡掛けてみたがイマイチだった。(イケメンだからか?笑)


 


 そっと中に差し込んでおきました。


 


 


 そして念願のバイブズミーティングでの納品!!!

 いろんな説明したりもしたんだけど正直胸一杯であんまり覚えてはいない。
 このONEちゃんの表情に全てが吹き飛んだ!!

 思えばずっとこの1年間俺たちはこのONEちゃんウォレットの事をどこかで考えていたのかも知れない。
 
 最初突拍子のないオーダーを受けた秋に始まり、冬に妄想して、春夏でそれを形にしてこの秋を迎えた。
 一年も掛ってしまってスイマセンでした。
 お互いにどうしても手渡しにこだわってタイミングが合わなかったのも一年掛かってしまった言い訳かも知れません。


 


 宝物の写真。
 ヤバスタ工房の天井にも張ってある。

 バイブズミーティング帰ってからすぐにこの納品の話を祐一に話してでっかい二人で泣いたよな。

  このウォレットは一人では作れなかった。
 祐一のこのコンチョじゃないと完成しない。


 お前は最高だ!!!本当にありがとう!!!!!



 人はずっと誰かを支えて支えられている。
 言ってしまえばこのウォレットを作るには今の自分じゃなければならなくて、その自分自身は誰かに支えられ続けて今の自分の考え方がある。

 仲間、家族、見てきた映画、読んできた本、やってきた仕事、感動した景色、愛してくれた人、掛けてくれた言葉。
 その全部タイセツ。

 そしてそんな自分を見てくれて、信じて頼んでくれて、待っててくれて、喜んでくれたONEちゃんの存在。
 
 心からありがとうございました!!





 今日はうちら3人がとうとう顔を合わす日。
 
 ほら♪
 今ONEちゃんとヤバスタ工房にいるんだよ♪






 

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Posted by SUGAR工房 at 11:24Comments(0)オーダーメイド