2013年01月23日
50’s風ウォレットバッグ
ずっと長らくオーダーしていただいていたウォレットがついに完成いたしました!
元々既存のウォレットをオーナーの943さんに見せられて『こんな感じで後はお任せ』というザックリとしたオーダーでした。
そのウォレットっていうのは表はホルスタイン柄で構造は完全に女性向けの物でした。いわゆるカードがたくさん入って小銭がいっぺんに取り出せてなんでも入る財布。
今までウォレットはショートウォレットからロングウォレットまで作ってきましたがいわゆる折りたたみ式の物。
それに対してこのウォレットは横が蛇腹状にアコーディオンに開いて小銭の部分はペーパークラフトのように立体的に開いて行く物です。
普通のウォレットが2Dだとしたらコレは完全に3Dの世界。
最初正直返答に迷いました。頭では解っているつもりですがどこからどんな風に作って行けばいいのか検討が付かなくて。
でも『納期は急いでいないからゆっくり作っていいよ。あなたのセンスに任せます。』と言って下さったので作ってみることにしました。
ただし943さんに作るのだったらデザインだけはすぐに頭に浮かんでいました。
それがこのブロックの編みこみのデザインです。ロック好きで50’sのファンキーな943さんにはよく似合うと思っています。
実はこの技法、私の一目置いている長野のクラフトマンが作っているのを数年前に見てずっと頭に焼き付いていて暖めていた技法なのです。
今回やっと作る時がやってきたなって思っています。
でもコレも最初から決めていたのはただの白と黒のツートーンではなくてランダムに少しだけ赤を混ぜるということ。このちりばめ方で大きく分かれる所だと思います。
そして中身はこんな感じ。サイドがアコーディオン式になっているのでとにかくいっぱい入ります。カードのポケットだけでも計12箇所もあるので入れまくってください。
手前のジッパーの部分は小銭入れではなくて切手とか収入印紙とかを入れるらしいです。
そうなんです。この943さんの今使っている財布を写真撮らせてもらおうと見せてい頂いた所。
お札、カード、ポイントカード、小銭はもちろんの事、切手、領収書、ハガキまで・・・
いやいや入っているなんてもんじゃないです。パンパンです。しまいには子供の医療証や確かお薬手帳まで入っていたよう気もします。
完全に財布の領域超えちゃっています。

ハイ。全部なんでも入れちゃってください。ちゃんと留め具の位置もそれを計算した位置についていますからね。
ただ少しは減らせるものは減らした方がいいと思いますけどね・・
そしてこの題名の通り『ウォレットバッグ』としているのは入ってる中身だけではありません。
『バッグのように肩からかけて持ち歩く事が出来たらいい』ということでウォレットの重心の取れる所とデザインを考えてDリングを付けて、ベルトを特別に一から作りました。
あえてサイズを調整できないシンプルで丈夫な構造。本体とマッチするようにちょっとハードなオール手縫いのベルトです。
組み合わせるとこんな感じ

どうです?独特の雰囲気でしょう?
今回このウォレットを作る際にこだわったもう一つの点としては『直しやすさ』。
もちろん手縫いですし、時間をかけて作ったので丈夫さにも絶対の自信があります。
でも形あるものは必ず壊れます。コバが摺れてボロボロになったり、糸がほどけたり、ましては裂ける事は特にないですが、金具類は間違いなく消耗品だと思っています。
どんな物を選んだって毎日ガンガン使っていれば必ずいつか壊れます。
今回の物はそれでも金具に穴開けてリベットでさらに補強してはありますが、あえて特殊な物を選んでいないのでいつでも手に入ります。
壊れたらいつでもそこだけで独立して直せる構造を考えて作ったので遠慮しないでガンガン使ってください。
今回初めて試す事ばかりで製作時間のほとんどが試行錯誤の時間。トコ革で何回も検証して作り直したりしてお試しでもう一個以上は作っていたと思います。
頭で考えるだけではダメ。型紙でイメージするだけでは全部はわからない。
作っては検証して駄目な所を見直して作りなおして。
そうしてやっと自分の経験として身についていくんだと思いました。
バイクの整備でもそう。ただ誰かのを見ているだけや本だけの知識ではいつまでもオイル交換一つも出来ないと思います。
でもただ『いい物を作りたい。自分が満足するものを作らなければ』という思いがあれば何でも出来るんじゃないかって自信も付きました。
ちなみに今回はいつものハーマンオークレザーのワイルドな物でなくて栃木レザーの艶と品格がある革を特別に手に入れてみました。
943さん。本当に長らくお待たせしてしまってすいませんでした。
今週末辺りでも息子を連れて納品にでも行けたらと思います。喜んでくれたら嬉しいです。